「何かを変えようと。挑戦してみたい」 6年ぶり主将制復活に動いたオリックス・宗の決意と覚悟
オリックスは来季から6年ぶりに主将制が復活する。岸田新監督は当初、主将を置かない方針を口にしていたが、高知・秋季キャンプに参加していた頓宮と宗が幾度の話し合いを経て、首脳陣へ直談判。両選手はチーム再建へかける思いを自発的に行動へと移し、同キャンプでも積極的な声出しや動きで若手主体の練習を引っ張った。 「T(―岡田)さんも安達さんも抜けてってこともあって。そういうところからちょっと頑張っていこうって話を、頓宮と2人でしていました」 野手キャプテンを務める頓宮の“補佐役”を務める宗は、「役割的には別に同じような感じで、キャプテンマークがついてないだけ。引っ張っていく存在で変わりはない」と強い覚悟を口にした。チームは今季5位に沈み、3連覇へと導いた中嶋前監督が退任。宗自身も8月に不振では4年ぶりの登録抹消を味わうなど、97試合の出場にとどまった。新チームとして再起に向けて動き出す中、来年29歳を迎えるシーズンに向けて、自然と芽生えた自覚があった。 「そろそろ人に付いていくのもやめないと。自分でやっていかないといけないんで。今まで人に付いていく人生だったんで、ここで何かを変えようかなと。今までの人生を振り返ったときに、そういう(リーダーの)役割を避けていた自分もいるので」 宗は自らを「僕は人の先頭に立って、引っ張っていける人間ではない」と分析する。それでも主将制復活に向けて動いたのは、「あんまり自分の中で変化がないなってところで、一度そういうところに挑戦してみたいなって。それが自分のためにもなるし、チームのためにもなる」と、自らにプレッシャーをかける意味もあった。頓宮が契約更改後の会見で発した言葉を借りると、「周りにああだこうだという前に、まず自分が動かないと周りに言えない。自分に甘えないように」という決意からの行動だ。 頓宮と宗、そして両選手から投手主将をお願いされて快諾した阿部。今季思うような結果を残せず、強い責任感とともに巻き返しを期す3選手を先頭に、岸田オリックスの逆襲が始まる。(記者コラム・阪井 日向)