山口組4代目組長射殺事件で時効の男、長崎県松浦市議会前議長への名誉毀損で有罪判決…法廷内に警官配置
長崎県松浦市議会前議長の男性(当時37歳)の名誉を傷つけたなどとして、名誉毀損罪などに問われた同県諫早市の男(76)に対し、長崎地裁佐世保支部(岩田光生裁判長)は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)の判決を言い渡した。 【写真】山口組4代目組長の遺体を乗せて病院を出る車両(1985年1月)
判決によると、男は昨年10月、松浦市内で男性に対し、議員の辞職を要求。拒む男性の顔面をたたくなどして脅迫し、辞めさせようとした。今年2月には、同市内の飲食店で男性の名誉を傷つける文書を配った。
男は1985年、指定暴力団山口組4代目組長らが射殺された事件で指名手配されたが、2000年に時効が成立した人物。岩田裁判長は、男性が男の暴力団活動歴を知って恐れていたとし、「被告の理不尽な要求にも対応していた」と言及。その後、被告が攻撃をエスカレートさせるなどした結果、男性は思い悩み、2月に自殺したとし、「刑事責任は相応に重い」と判断した。その上で、男性が死亡した責任が直接問われる事件ではないなどとして、執行猶予を付けた。
長崎県警は公判中、法廷内に警察官を配置するなど「不測の事態」に備えた警備態勢を敷いた。男は判決の言い渡し前に「私ごときのために警備をさせて申し訳ない」と述べた。