東京会場は12/8まで!大人気「特別展『はにわ』」へ
日本の「カワイイ」の原点は、古墳時代にあった⁉︎ 「埴輪 挂甲の武人」の国宝指定50周年を記念して開催中の「特別展『はにわ』」。東京・上野の東京国立博物館に、愛らしい埴輪が大集結している。上野の後は九州国立博物館にも巡回する、魅力たっぷりの展示をレポート 時をこえた可愛さ!特別展『はにわ』展示の様子(写真)
3世紀から6世紀にかけての古墳時代に作られ、祭祀や魔除けなどのために古墳に並べられた埴輪。日本列島で独自に出現し各地で発達した、カワイイとしか形容のしようがないユニークな造形は、世界的にみても珍しいものだという。 冒頭で鑑賞者を出迎えるのが「埴輪 踊る人々」。埴輪と聞くと思い浮かぶ、丸い穴の目と口が特徴の埴輪だ。実はこの造形の埴輪は、後期のもの。初期の装飾が削ぎ落とされ、表現の省略が進んだ結果、シンプルでユニークな形が生まれた。東京国立博物館創立150周年を機に、文化財活用センターとクラウドファンディングなどで寄附をつのり、2022年から解体修理が行われ、2024年3月末に修理が完了。本展で修理後初のお披露目となった。
東京国立博物館所蔵の「埴輪 挂甲の武人」の国宝指定50周年を記念して開催されている本展の最大の見どころは、その「埴輪 挂甲の武人」の兄弟とも呼べる作品が、史上初めて5体揃って展示されること。群馬・相川考古館、アメリカ・シアトル美術館、千葉・国立歴史民俗博物館、奈良・天理大学附属天理参考館から東京国立博物館に集結した。挂甲(けいこう)とは、古代の甲冑の一種で、革や鉄板を革紐や組み糸で綴じ合わせたもののことだ。 いずれも群馬県太田市域の窯で焼かれ、同じ工房で作成された可能性も指摘される5体。微妙に異なる表情からにじみ出るキャラクターの違いを見比べる絶好のチャンスに、つい、「自分の“推し”はどれ?」と考えてしまう。東京国立博物館の展示もノリノリで、5人組の戦隊モノのように1体ずつにイメージカラーを設定している。照明を落とした展示スペースに、弧を描くように5体が並ぶ様子は圧巻だ。