<袴田巌さん再審>袴田さん捜査の検証結果公表 静岡県警刑事部長「可能な範囲で実施」
1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人が殺害された事件で、袴田巌さん(88)の再審無罪が確定したことを受け、静岡県警は26日、袴田さんに対する当時の取り調べが不適正だったとする検証結果を公表した。県警は26日午後、検証結果について平井伸英刑事部長が記者団に概要を説明した。記者側との主なやりとりは次の通り。 【写真・図解まとめ】58年前の痕跡あちこちに 「袴田事件」の現場のいま ――当時の捜査員と従業員の現在の年齢は? ◆捜査員は90代男性2人、80代後半男性1人、80代前半男性3人。(みそ)店側の従業員は90代男性1人、80代男性2人、70代女性2人、70代男性1人。 ――捜査が不十分だったという結論。当時の捜査としては常識的だった? ◆最初からみそタンクの中もしっかりと見ておくべきだった。今の我々の捜査の常識で考えれば。証言にもあるように、会社からの懇願でこまねいてしまった。結果的に今になって問題となってしまった。タンクの中を明らかにすべきだった。 ――検証はいつ始めた? ◆10月28日。 ――刑事部長の全体の受け止め方について。特に重要だと思ったところは? ◆取り調べ対応。取り調べの録音テープを改めて確認して、取り調べの対応もそうだが弁護人の接見を録音したのは極めて重く受け止めている。 ――あまりにも年月がたちすぎている。(検証に)2カ月は十分な期間か? ◆県警としては可能な範囲でできるかぎり実施した。 ――これが限界? ◆具体的な事実や証言が得られなかった。 ――検証結果を亡くなった専務の遺族、袴田家にも報告するのか? ◆遺族には公表するという連絡はしている。秀子さんにも連絡した。それぞれ今日した。 ――当たった人全員が答えてくれたのか? ◆従業員は、2人は病気などの理由で聞き取りが難しかった。健康状態が優れなかったから聞き取れなかった。 ――捜査員で存命しているのは6人全員? ◆そうです。 ――検証作業を終えたのは? ◆今日です。