夢展望が米国・中国・韓国・台湾向け越境EC本格化へ。ロリータファッションなど軸に認知・ファン拡大めざす
アパレルECの展望は8月7日、越境ECを本格展開していくと発表した。米国・中国・韓国・台湾に向けた越境ECを展開する。
夢展望では、海外戦略の一環として海外アンバサダーを広く起用するなど、海外展開を見据えたブランドの認知拡大を図ってきた。海外における売り上げは伸びており、夢展望の主力ブランドであるロリータファッションの「DearMyLove」で取り扱っている日本独自のファッションカテゴリーである「地雷系」「量産型」について、2023年度(2023年4月~2024年3月)の海外顧客向け出荷金額は前年同期比の263%、出荷数は同242%と大幅に伸長している。 5月には中国・深センで実施された海外展示会に出展。中国や米国、ASEANへ越境ECを展開しているバイヤーやディストリビューターの来場者から、高い評価と反響を得たという。 こうした背景から夢展望では、海外展開をより効率的に実装するために、エリアごとの販売戦略を策定した。本格的な海外展開を、米国、中国、韓国、台湾エリアからスタート。「DearMyLove」を中心に、ブランド・商品認知とファンの拡大を目的に、現地における主要な事業者と連携した展開を推進していく。 □ 米国展開 多言語対応、海外決済、国際配送、集客支援を一括で支援する「ZenLink」と連携。「ZenLink」の米国における広告ノウハウを活用し、より効果的な集客方法を早期に確立し、米国のユーザーにブランドのコンセプトや世界観の共感が進むよう商品コンテンツのリッチ化を図る。「DearMyLove」は、6Lなどの大きいサイズもデザイン豊富に展開し、バリエーションも強味の1つとして米国向けにアピールする。ZenGroupとの連携により、米国エリアのユーザーに通常よりも物流コストを抑えた配送で提供するとしている。 □ 中国展開 インアゴーラと連携。インアゴーラの「豌豆公主(ワンドウ)」アプリ、中国の短尺動画プラットフォーム「抖音(Douyin)」、SNSプラットフォーム「小紅書(Redbook)」の越境EC旗艦店を活用した販売を展開する。KOLを起用したライブコマースも積極展開し、「抖音」や「小紅書」など圧倒的な集客力を持つプラットフォーム上で情報を伝播させ、認知拡大・ファン獲得を図る。 □ 韓国展開 アジア最大級のコマース企業であるクーパン(Coupang)と連携する。現在、韓国ではキャラクターグッズブームが到来しており、高額転売問題も起きているという。今回の連携で、夢展望は正規の販売ルートを確立し新作や人気商品も迅速かつ適正な価格で韓国のユーザーに提供。夢展望はクーパンから、サンリオなどとのコラボ実績を評価されているといい、韓国での人気キャラクターと新たな「コラボグッズ」を手がけることも企画する。なお韓国エリアでの販売開始は8月半ばを予定している。 □ 台湾展開 現地上場の大手ECグループ「 PChome Online Inc.」の子会社、比比昂株式会社(ビビアン/bibian)と連携。ビビアンが展開する代理購入サービス「BB Checkout」を活用する。台湾では「地雷系」「量産型」に一定の認知がすでにあり、「DearMyLove」においても一定数の台湾ユーザーがいる。ビビアンは業界最安値の国際送料運賃、多様な決済方法など利便性が高いと言い、「台湾展開における最適解」(夢展望)としている。ビビアンは、日本に国際物流倉庫がありスケールメリットを活用した国際配送を行うため、台湾ユーザーは迅速かつリーズナブルに商品を受け取ることが可能となる。