【独自解説】大阪のIR計画、万博期間中の工事中問題が決着 “白紙”の危機回避も…続くイバラの道 一番の問題は不明瞭な責任の所在
■一旦決着も…「交通渋滞」や「土地改良費用の問題」 IR計画にイバラの道は続く
万博期間中のIRの工事問題はひとまず決着することになりましたが、今後に向けて少し気になる動きが。 8月に来日した博覧会国際事務局(BIE)・ケルケンツェス事務局長は、引き続き、このような発言をしています。「万博に“マイナスの影響”を与えないようにIRの工事をしてほしい」ということなんです。 万博とIRを巡ってはまだ気になる課題が残っていて、その1つが、万博期間中の「交通渋滞」の問題です。
万博、そして、その後、IRが行われる予定の夢洲は、車両で移動する手段は橋とトンネルの2つしかありません。しかし、万博開催期間中はIRの工事車両だけでも、1日に最大で約2000台が夢洲にくると言われています。今のところ大きな交通渋滞がないように調整しているということですが、いざ万博が開幕して交通渋滞が発生し、「万博に“マイナスの影響”を及ぼす」と判断されれば、今回と同じように、また、ケルケンツェス事務局長などから「待った」の声があがらないかと懸念する声が聞こえてきています。
さらに、こちらは、IRの内側の問題ですが、大阪市が現在、IR予定地の土地改良工事を行っていますが、この「工事にかかる費用やその間の土地の賃料を大阪市が負担するのはおかしい」と訴える住民訴訟も起きています。引き続き、IRに関する課題は残されていると思います。
今回の一連の騒動から見えてきたことがありました。大阪のIR計画は、引き続き様々な課題がある中で、「誰が責任を取って、リーダーシップを発揮して、前に進めていくのか」ということを明確にすることが今後、重要なのではないかと感じました。 (読売テレビ記者 平田博一) (「かんさい情報ネットten.」2024年9月10日放送)
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