【ライブレポート】原因は自分にある。『ARENA LIVE 2024 白昼夢への招待』での確信「僕らと観測者のみんななら絶対に夢を叶えられる」
刻まれる『白昼夢へようこそ』
楽曲からMCへ、MCから映像へ、と継ぎ目なく展開されていくライブ構成は、コンセプトが「白昼夢」だからなのか。覚める予感のない夢の感覚が、そのままバックモニターを彩る映像へと表出していくようだ。 気づけばモニターには、廃工場に立つ杢代。続けて傘を手にトンネルに佇む小泉。傘を閉じて白い扉に向かうと長野が現れ、岸壁にせり立つ扉に手をかける。森のなか、りんごを手にしているのは大倉だ。武藤はアトリエを模したアーティスティックな空間で、吉澤は赤い光が明滅する夜の屋上で存在感を示す。刻まれた文字は『Welcome to my day dream』。 日を追うごとに成長し、力を研ぎ澄ませていると感じざるを得ないげんじぶのパフォーマンス。その本格的に作り込まれたコンセプトに酔いしれる観測者も多いはずだ。彼らのセルフタイトルでもある『原因は自分にある。』はリアレンジVer.が披露され、続けて『原因は君にもある。』で、センターステージだってフルに使い切るサービス精神の豊かさを見せつけていく。 黒を基調とした和装に衣替えした彼らを見ながら、今夜だけで何度、彼らの変化を目の当たりにしただろうと頭の片隅で考えてしまう。一晩で覚める夢だったとしても、それでもいい。観測者一人残らず、この夢が少しでも長く続きますように、と願っていたのではないだろうか。 どの席から見ても、どんな角度からでも、等分に彼らの姿を見られる。そんな配慮が細部にまで浸透したステージングが続く。長野が「僕たちのために歌ってください!」と呼びかけ、「明らかに観測者、大好きだよ、マジで!」と高らかに吠える。武藤が「さあ観測者!大きな声を聞かせてくれ!いつもありがとな!」と彼らしい実直さを見せ、大倉が「声を聞かせてくれ~!もっと!」と客席にマイクを向ける。 気づけば白昼夢も終盤。吉澤は「これだけの観測者のみんなに囲まれていると、もう幸せで。溶けてもいいんじゃないかって思うくらいに幸せです。みんなのおかげ」と喜びを溢れさせた。大倉や武藤が言うように「駆け抜けてきた」ライブも終焉を予感させ始める。大倉が「僕たちのハッピーな明るい気持ちを、一人ずつ述べない?」と言ったのをきっかけに、メンバーそれぞれ最後の挨拶タイムに。 長野は「去年この会場でやって、また今年もやらせてもらって。昨日寝る前とかも、去年を超えなきゃ、たくさん人がいるなって思ってベッドにつこうとしたんですけど、みんなの顔を見たらどうでも良くなっちゃって、今年を迎えて、みんなと出会えていることが答えだなって思います。今日はあらためて、来ていただいてありがとうございます!」と挨拶のトップバッターを切った。 人気が高まり続けているげんじぶだが、その状態にあぐらをかかず、いまでもライブ前に不安を抱いている胸中は意外にも思える。大倉が「みんな、今日のテーマは『しんみりしない』ですからね!」と挟み、桜木の挨拶へ。 「今日という日を楽しみにしていたんですけど、あともう少しで終わってしまうのは悲しいです。ライブをやり続けたい!観測者、配信で見てくださっている皆さんと一緒に、もっと大きな会場で会えるように頑張りますので、よろしくお願いします!」とシンプルでありながら思いを込めた桜木の挨拶から、武藤が「さっきの『げんきみ』(原因は君にもある。)の、アリーナで聞く“ららら”、やばいね!去年よりすごい届いたもん。これからも、もっと大きなステージで“ららら”を響かせようぜ!いつも観測者ありがとうございます!」と繋げる。 「本当に、当たり前じゃないこの景色で、ライブができて嬉しい」と挨拶したのは小泉。「もう5年以上活動してるんですけど、そのなかでも一体感のあるライブができたんじゃないかって思ってます。皆さん、楽しかったですか?僕も楽しかったです。まだ終わってないですけども、最後まで同じ時間を楽しんでいきましょう」と彼らしい挨拶で締めた。 杢代が「本当に最高で、みんなのことマジで好きだな~って思うんだよね」と語りかけるように話し出すと、自ずと客席がわく。「僕たちが活動してて、みんなが応援してくれるのは、当たり前じゃない。これからも一緒にいましょう、よろしくお願いします!」と続けたのに同調するように、大倉が「この声が聞けるのは間違いなく皆さんのおかげです。まだまだみなさんのその声、僕たちに聞かせてください!よろしくお願いします!」と応えた。 挨拶の最後を飾るのは吉澤。「観測者に囲まれた場所で思ったこと、言いたいことがあります。僕らげんじぶ、観測者のみんななら、絶対に夢を叶えられると思います。確信しました。配信のみんなも、この先に出会う観測者も、誰一人置いていかない。これからも一緒に未来を歩みましょう。残りわずかですが、まだまだ盛り上がっていきましょう!」と、覚めない夢の続きを約束してくれる。「雅哉!」と呼びかけられた桜木が「次は、皆さんの声がないと成立しない曲になってます。準備はできてますか?それではいきましょう!」と、今夜のステージの終盤戦を宣言する。