音楽とダンスで旅をするイベント「ペルーの響き」開催
多様性にあふれた南米ペルーの魅力を紹介するイベント「ペルーの響き」が11月13日、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。この催しは日本ペルー外交関係樹立150周年記念行事の一環として、「ペルーを音楽とダンスで旅をする音楽祭」と銘打って行われた。 ペルーの国土は128万平方キロで日本の3倍以上あり、まったく気候が異なる3つの地域からなる。イベントでは、まず乾燥したエリアの海岸地帯「コスタ」のダンスと音楽の紹介から始まった。
「コスタ」のダンスはペアで踊られることが多い。「マリネラ」はペルーを代表する伝統舞踊。競技ペアダンスで踊られることもある。ブラジルのサンバ、アルゼンチンのタンゴと並んで、南米の三大ダンスに数えられることもある。 男女のペアがそれぞれ白いハンカチを右手に持って振る。その振り方がダンスの際の男女の間の駆け引き、かけ合いに関わってくる。 服装は、海岸部の中の地域によって違いはあるものの、女性は裸足にドレス、よく目立つイヤリングやネックレスを着けるのが一般的だ。髪は後ろに丸くまとめ、髪飾りと花の飾りをつけることが多い。男性はスーツに革靴、ソンブレロと呼ばれるつばの広い帽子をかぶる。 今回は、「コスタ」の伝統舞踊として「クリオロ・ワルツ」、「サマクエカ」、「フェステーホ」も披露された。これらにはスペインやメスティソ文化に加え、かつてアフリカから連れてこられた奴隷が伝えた音楽の要素も含まれている。
「コスタ」地方に続いて紹介されたのは、「シエラ」と呼ばれるアンデス山脈の、主に先住民ケチュア族の伝統に由来する踊りだ。 アンデス地方のダンスは、日本でもおなじみの民族音楽フォルクローレの楽器、ケーナ、チャランゴ、サンポーニャなどで奏でられる音楽に合わせて踊る。衣装が非常に色鮮やかなのにも目を奪われる。
ステージには、フォルクローレの演奏グループ「ウィニャイ」のメンバー2人も登場、「コンドルは飛んでいく」などの幻想的な調べが観客を魅了した。 ペルーのアンデス山脈地域からさらに内陸部には「セルバ」と呼ばれる熱帯雨林地域がある。ダンスは、それぞれの村々の儀式で踊られる。今回の催しでは、女性たちが、ジャングル地域の宗教の神であるアナコンダと呼ばれるヘビを模した踊りを女性たちが披露した。 伝統舞踊を演じたのは、千葉県柏市にあるペルーダンスのスクール「ソル・イ・ルナ」や東京都内で活動する「エンカントペルアノ」のメンバーたち。各地域の踊りが行われる合間には、ペルー各地の古代遺跡や美しい自然などを撮影した映像が流れ、観客たちの旅情を誘っていた。