のん「純度の高い『好き』を見つけると強くなる」 映画『私にふさわしいホテル』に主演
のんさんが、12月27日公開の映画『私にふさわしいホテル』に主演します。柚木麻子さん原作の同名小説を堤幸彦監督が映画化。不遇な新人作家の“文壇下克上”を描く本作で、主役を演じた心境や、役柄のようになかなか評価を得られない時期の乗り越え方について聞きました。 【画像】撮り下ろし写真(のん)
文豪の愛したホテルでシャンパンをぶちまける
――のんさんが演じる新人作家の中島加代子が、憧れの山の上ホテルに宿泊。因縁の大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一さん)がちょうど上の階に泊まっていることを知った加代子のある大胆な行動から、物語が展開していきます。撮影は、川端康成や三島由紀夫など数々の文豪に愛され、2024年2月に休館した山の上ホテルで行ったそうですが、この場所で演じてみていかがでしたか? のん: そうそうたる文豪の方たちが実際に泊まった部屋を使用させていただき、緊張もありましたが、至福の時でした。予告編にも使用されていますが、東十条先生の原稿にシャンパンをかけるシーンがあって「この机で文豪の方たちが原稿を書いていたかもしれない」と思うと、すごくいけないことをしているような気分になり、興奮しました(笑)。 ――しがらみだらけの文学界で、新人賞を受賞したのにまだ単行本を出版したことのない加代子。新人作家でありながら、大御所作家も利用するホテルに自腹で宿泊します。のんさんも日頃、背伸びをして贅沢な時間を味わう瞬間はありますか? のん: 最近ようやくわざわざ旅することの楽しさがわかってきて、私も加代子のように、いいホテルに泊まって、ゆったりとした時間を過ごすことがあります。特に自然の音しか聞こえないような静かな空間が好きで、そこで台本を読むと、いつもよりずっと集中できるんです。ホテルだと掃除や料理をお任せできるので「目の前のことだけに没頭する時間」をもらいにいく感覚ですね。ちょっと背伸びして源泉掛け流しの温泉がついている部屋にしちゃおうかな、なんて選んでいる時間も贅沢に感じます。