任意後見人のトラブル事例5選! 対処法から未然に防ぐ方法まで解説
5. 任意後見人のトラブルに関連してよくある質問
Q. 任意後見契約の内容や任意後見人は変更できる? 任意後見監督人が選任される前であれば、元の任意後見契約を解除して新たに任意後見契約を締結することで、任意後見人を変更したり、契約の内容を変更したりできます。筆者が弁護士として担当したケースでも、生活状況が変わり、任意後見人としてより適任と思える人が見つかったという理由で元の契約を解除し、新たに契約をされる事例がありました。 一方、すでに任意後見監督人が選任されている場合、変更するためにはさまざまな条件があり、容易に変更できるわけではありません。 Q. 任意後見制度以外で財産を管理してもらう方法はある? 任意後見制度以外で財産を管理してもらう方法としては、財産管理等委任契約や家族信託があります。 判断能力が低下する前から財産管理を任せたい場合は財産管理等委任契約を、積極的な財産管理を希望する場合や継続的な出費を抑えたい場合は家族信託を検討するのがお勧めです。
6. まとめ 任意後見人によるトラブル回避は弁護士や司法書士などの専門家に相談を
任意後見人は、任意後見制度において、本人に代わって財産管理や身上監護に関する事務を行う人です。法律が定める欠格事由に該当しない限り、親族や友人なども務められますが、その任意後見人を監督する任後見監督人の専任申し立てが行われない、任意後見監督人への報告義務を怠る、本人の財産を使い込んでしまうなどのトラブルに直面するケースもあります。 トラブルが発生した際は、任意後見人を解任して選び直したり、訴訟を提起したりといった対応策が考えられます。 また、トラブルを回避するためには、弁護士や司法書士などの専門家にあらかじめ相談するのがお勧めです。すでにトラブルになっている場合は弁護士に相談するようにしましょう。専門家を探す際はポータルサイトを活用するのもお勧めです。 (記事は2024年9月1日時点の情報に基づいています)
勝本広太(弁護士)プロフィール
中央大学卒業。神奈川県弁護士会所属。登録番号53382。所属する川崎相続遺言法律事務所は、その事務所名のとおり、相続遺言問題に非常に力を入れている。また、家族信託等の専門サイトを立ち上げ、家族信託や任意後見などの生前対策にも注力。遺言書作成、家族信託、遺産分割協議、遺留分の請求、相続放棄、特別縁故者に対する相続財産分与など、幅広い実務経験がある。
勝本広太(弁護士)