定年間際に教員を退職し、服を変えたら人生も変わった。「60代は目立っていい」と、背中を押されて
ドラマスタイリストの西ゆり子さんが、一般女性に向けて2022年6月に開講した『着る学校』。好きな服を着るための基礎知識を学び、自分らしいおしゃれを楽しめるようになると、人生がどのように変わっていくのか。連載3回目は、長年続けてきた仕事を辞めたことをきっかけに、おしゃれや人生に対する姿勢が劇的に変化した受講生の方の学びを紹介します。(構成◎内山靖子 全5回連載/第3回) 【写真】ななさんお気に入りアイテム * * * * * * * ◆「着る」ことをもっと楽しみたくて 大学を卒業後、35年間続けてきた教員の仕事を58歳のときに早期退職しました。公立高校の英語科の教師として、定年まであと2年。定年までなぜ我慢しなかったのかと言えば、あるときふと「人生って意外に短いな」と思ったからです。もちろん、仕事にはやりがいを感じていましたし、純粋な心を持った高校生たちと過ごす日々はとても楽しいものでした。でも、この先、残されている時間は限られている。なのに、私は教員の世界しか知らないんだなって。 親の意に沿う形で教員になり、確かにいいこともたくさんありました。でも、これが本当に自分の望んでいた人生だったのか?と言えば、もっと他の道もあったんじゃないかと……。若い頃は、好きな英語を活かして海外で仕事をしてみたいと夢を膨らませたこともありました。だったら、今の自分は60代になるまでにまだ2年ある。新しい可能性に挑む気力のある50代のうちに、これまで知らなかった世界を見てみよう。そう考えて、教師の仕事を辞めることにしたのです。 ところが、ちょうどその時期にコロナ禍が起きたため、新しい仕事を探すどころの状況ではなくなってしまった。で、そのまま何をするでもなく数年間を過ごしていた私に、ファッションの仕事をしている友人が「『着る学校』に参加してみたら?」と勧めてくれたのです。そう言えば、「着ること」についてきちんと学んだことは1度もありません。仕事を辞めて人前に出る機会が減ったことで、服装に関してもすっかり無頓着になっている。そこで、これも自分にとって新たな挑戦のひとつと考えて、『着る学校』のレッスンを受講してみようと決めました。
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