イオンPB「シャープな香りと辛みのコショー」vs S&B「テーブルコショー」全方位で比較【買うならどっち?】
【買うならどっち? 独自目線でジャッジ】 コショー編 ◇ ◇ ◇ 私もよく取材を受けるようになったPB(プライベートブランド)ですが、スーパーの食品に占める比率は過去最高の2割近くまで高まっています。実は1960年代からすでにダイエーなどで生産されていたのですが日の目を見ず、試行錯誤を重ね、停滞期を経て、今、ようやく光を浴びているのです。 S&B「ホテル・シェフ仕様」vsハウス食品「プロクオリティ」 ハヤシライスの色や味は? スーパーとしても粗利益は、一般のNB(ナショナルブランド)のメーカー商品の20%に対し、PBだと30%あまりで10%も多いので、増やしたいのもわかります。中にはメーカーの商品はまったく置かずに、PBしか陳列しないスーパーも増えていて、そのうち一般メーカー品に触れることがなくなり、NBの味を忘れてしまいそうです。 最近のPBは単価が安いだけでなく、有機食品などオリジナルのものや付加価値をつけた商品も登場していて進化しています。 PBにもいろいろなパターンがあります。メーカーとの共同開発が80%、メーカーからの提案が44%で、必ずしもスーパーがメーカーに対してライバル心むき出しにし、対抗して出した商品というわけではありません。 例えば、寒い時に食べたくなるラーメンに欠かせないコショーで見てみましょう。 イオンPB(トップバリュ)のシャープな香りと辛みの「コショー」の加工所はエスビー食品(埼玉)で、販売・問い合わせ先はイオンです。 原材料名はインドネシア産のブラックペッパーで17グラム入り。円柱の瓶に入っています。 栄養成分の表示は1グラムあたりエネルギー3キロカロリー、タンパク質0.1グラム、脂質0.09グラム、炭水化物0.6グラムです。 一方、定番の赤い蓋の四角い瓶に入ったS&Bの「テーブルコショー」。エスビー食品のブラックペッパーはマレーシア産で20グラム入りです。ホワイトペッパーも含まれています。どうりで、よく見てみると少し白っぽいです。製造元はエスビースパイス工業(埼玉)ですが、イオンPBとは別です。販売者もエスビー食品です。栄養成分の表示はなしです。 ■瓶の形も値段に影響? 値段はイオンPBが90円(税別)で、S&Bは158円(同)。イオンPBは3グラム少ないのと生産地がマレーシアではなくインドネシアであること、それから瓶の形が簡単に作れそうな筒型なので安いのでしょうか。広告宣伝費のカットもあるでしょう。 コショーそのものの見た目などは? イオンPBはざらざらできめが粗く、ブラックペッパーという感じ。洋風ステーキなどに合いそう。 S&Bはくしゃみが出そうなサラサラな感じで塩コショウの味に近く、ラーメンなどにかける昔ながらの味です。 (柏木理佳/生活経済ジャーナリスト)