優しい上司が落ちる「デカ主語ハラスメント」「前にも言ったよね保身」という“穴”…絶対に部下を傷つけない“回避術”とは
Xに投稿されるや「イヤな言葉」とコメント欄でも共感を呼んでいるのは、人に指導をしているときについ言ってしまいがちな「あの言葉」。 【映像】納得! 「前にも言いましたよね」がキケンな理由(7万位いいね獲得の投稿) 「今年ダントツで聞いて良かった話は(中略)スタッフに仕事を教えて、うまくできなかったとき『前にも言いましたよね』という表現は、ゼッタイ使ってはならない。と教えてくれたこと」 およそ7万件のいいねがつくなど、話題となった投稿をした「やっち」さんは、今年の秋に、大手自動車メーカーに定年まで勤めていた人から「教育する上で大切にしたこと」として聞いた話がもとになったと話す。 「(『前に言ったよね』と伝えてしまうと)ミスを隠すようになったり、そもそも聞いてこなくなってしまう。そうなると教育そのものが進まなくなる」
「前にも言いましたよね」は使われがち?
理解ができた部分について褒め、間違っている部分があったら責めるのではなく、指摘して改善する。その具体的な言い方についてもやっちさんはXに投稿している。 「【1度しか伝えてないのに、よくここまで理解できましたね。ココだけ改善しましょう】と、スタッフが報告しやすくなる伝え方が良い。と教えてもらって人生ほんと楽になった」 また、今回、Xで共有しようと思ったきっかけは、やっちさん自身も言った経験と言われた経験があり、共感したからだという。 「前にも言いましたよね」という表現は今も職場では「使われがち」なのか? 街の人に聞いてみると… 「上の方から振られた仕事に対して、簡単なミスをしてしまうと『それ前に言ったじゃん』という話はよくある」(32歳 営業職) 「自分で調べても答えが出ない時に上司に相談すると『前にも言ったから自分で調べてください』などと返された」(26歳 営業職)
「前にも言いましたよね」は「自己防衛」?
日本メンタルアップ支援機構の大野萌子代表は「『前にも言いましたよね』は上司から部下にかける(典型的な)NGフレーズだ」と指摘。その上でこの言葉には言う側の「自己防衛」的な意味合いも含まれていると話す。 「言い換えると『私は伝えたよ』ということであり、『私に非はないからね』っていう“自己防衛的”な意味合いがすごく大きい」 また、言われた側が真面目な人ほど「自分に問題がある」と考えてしまい、自信を喪失してしまうという。さらに、聞くタイミングを見計らった結果、かえって相手にとって都合が悪い時に聞いてしまって「前にも言いましたよね」を“引き出してしまう”こともあると大野さんは指摘する。 「前にも言いましたよね」と責め立てるのではなく、大切なのは「どこまで理解しているか」をしっかりと確認することなのだ。