独断と偏見、自動車最前線執筆陣が選ぶ【2024-2025年の1台】ホンダ電動化の幕開け、BEV「N-VAN e:」に期待
ポストコロナ期やEV(電気自動車)の普及、さらに年末には本田技研工業と日産自動車の経営統合検討など、歴史的な変化が起きた2024年。今年の顔となる1台として、日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025にはホンダ「フリード」が選ばれた。そんな2024年に純粋に乗って楽しかったクルマ、さらに2025年に注目すべきクルマを「東洋経済オンライン自動車最前線」の書き手たちに独断と偏見で選んでもらった。 2024年10月10日に発売された本田技研工業(以下、ホンダ)の軽商用EV「N-VAN e:(エヌバン イー)」は、ベースとなったガソリン車「N-VAN(エヌバン)」を所有する筆者にとって、以前からかなり気になる存在だった。 【写真で見る】電動化で何が変わった?、ホンダの軽商用BEV「N-VAN e:」のディテールを写真で見る(98枚)
「2040年までに、BEV(電気自動車)・FCEV(燃料電池自動車)の販売比率をグローバルで100%にする」。そんな目標を掲げるホンダの電動化戦略では、2026年までに国内へ4機種のBEVを投入することが発表されているが、その第1弾となるのがN-VAN e:だ。 【写真】電動化で何が変わった? 、ホンダの軽商用BEV「N-VAN e:」のディテールを写真で見る(98枚) ■ガソリン車オーナーとして驚いた「N-VAN e:」の走り
ホンダの国内電動化戦略にとって、非常に重要なクルマといるN-VAN e:。だが、ガソリン車オーナーの筆者的には、そんなホンダの取り組みや戦略もさることながら、BEV化により、どんな走りに変わったかのほうが気になるところ。そして、実際に乗ってみると、同じ軽商用バンながら、ガソリン車とはまったく別次元ともいえる走りに驚いた。 BEVには航続距離、充電の場所や時間など、まだまだ問題も多いが、それらが解決すれば、商用だけでなくレジャー用途などでも十分楽しめるクルマであることを実感できたのだ。
2024年末、日産との経営統合といった話も飛び出し、まさに今ホットといえるホンダ。ここでは、その「縁談話」についてはあえて触れないが、注目企業の最新BEVモデルという観点から、改めてN-VAN e:の特徴や乗り味を紹介。あわせて、筆者が個人的に感じているガソリン車からBEVへの転換に関する課題、将来的な期待値なども紹介してみたい。 ■ホンダの軽自動車「N-VAN」とは ホンダの軽自動車でもっとも売れ筋の「N-BOX(エヌボックス)」を擁する「N」シリーズに属するバンタイプの軽自動車がN-VANだ。大きな特徴は、通常後席や荷室下にある燃料タンクを前席下へ配置する独自技術「センタータンクレイアウト」を採用していること。これにより、室内の低床化を図るとともに、1945~1960mmもの全高がもたらす高い天井と相まって、軽商用バンとしてはトップクラスの広い荷室空間を実現する。
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