井上尚弥“イブ”決戦延期も平常心「奇跡的に空いていた」1・24有明「お互い最高の状態で」
ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が臨む「クリスマスイブ決戦」の延期が14日、発表された。東京・有明アリーナで24日に防衛戦が予定されていたが、挑戦者のIBF、WBO世界同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)が14日朝の現地練習で左目上を裂傷。両陣営が協議し、約1カ月後の来年1月24日、同会場でスライド開催することが決まった。相手負傷による延期となったものの、井上はグッドマンにエールを送った。 ◇ ◇ ◇ 「クリスマスイブ決戦」が10日後に迫った中での突然の延期にも、井上は平常心だった。自身の公式インスタグラムを更新し「10日後に迫っていた12月24日の防衛戦は、グッドマンのスパーリング中の怪我により延期する事になりました。楽しみにしてくれてた方々には申し訳ないです」と謝罪。25年1月24日にスライドされたことを報告し「また新日程で足を運んでいただければうれしいです」と呼びかけた。そして最後に負傷したグッドマンにメッセージを送った。 「お互い最高の状態で闘おう」 グッドマン負傷の一報から井上陣営の対応は素早かった。14日朝、母国オーストラリアで現地メディアに対して日本行き前最後の練習を公開していたグッドマンがスパーリング中に左目上を裂傷。同日午前のうちに連絡が入り、即座にグッドマンの負傷の状況を踏まえながら両陣営で協議。興行自体の延期を決定した。 所属ジムの大橋秀行会長(59)は両国国技館をはじめ、首都圏のアリーナ級の日程のチェックに入った。最終的に延期前と同じ会場となる有明アリーナが1月24日に空いていることが確認され、日程のみの延期で全対戦カードをスライドすることが可能となった。 グッドマン負傷の一報から4時間ほどで興行延期の発表までまとめた大橋会長は「ここしかない、というところで奇跡的に空いていました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 同興行はメインの井上-グッドマン戦をはじめ、セミファイナルにはWBO世界バンタム級王者武居由樹(28=大橋)の同級10位ユッタポン・トンディー(31=タイ)戦が組まれるダブル世界戦も注目されていた。アンダーカードにも、現役の地域王者同士の対決、新旧王者対決など豪華カードがそろっている。同会長は「ボクシングの練習は激しい。故障しないという保証はないといつも思っているから」とグッドマンの気持ちをおもんぱかっていた。【藤中栄二】