河合優実、櫻井海音…「2024年にブレイクした俳優5人」を映画ライターが独自の観点で選出
映画ライターのSYOが、今年ブレイクした・来年ブレイクする俳優を独自の観点から選ぶ年末企画。本企画における「ブレイク」には、「知名度が上がった」だけでなく、「すでに知名度はあるが、新境地を拓いた」という意味も含まれている。 【写真】坂口健太郎「僕自身の心が追いついていなかった」俳優業10年を振り返る 前編となる本記事では、2024年公開作で一気に知名度が上がった、あるいは新境地を拓いた俳優5人を選出した。 本題に入る前に、前回(2023年)取り上げた面々をおさらいしたい。2024年ブレイクすると予想した俳優は次の5人だった。齋藤潤、山時聡真、松村北斗、石原さとみ、杉咲花。 齋藤は『室井慎次』シリーズに抜てきされ、山時は「虎に翼」等話題のドラマ・映画に出演。松村はテレビドラマ「西園寺さんは家事をしない」でさらなる人気を獲得し、年明け放送のテレビドラマ「アンサンブル」を皮切りに、坂元裕二脚本による『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開予定)、実写映画『秒速5センチメートル』(秋公開予定)と話題作が続く。 石原さとみと杉咲花は賞レースの主演女優賞候補の“本命”としてしのぎを削っている。また2023年ブレイク俳優として挙げた横浜流星は『正体』で各映画賞の主演男優賞候補に入り、2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主役を任された。これらの面々に続くニューカマー、あるいは新たな一面を見せてくれた者たちを紹介しよう。
1. 河合優実
かねてより映画業界を中心にポテンシャルの高さが称賛されていた河合優実だが、「2024年は彼女の年だった」といっても過言ではない大車輪の活躍をみせた。年明けに放送開始された宮藤官九郎脚本のテレビドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS系)で主人公の娘を演じると、スケバン的な役どころも含めて話題沸騰。その存在がお茶の間に一気に浸透した。 そして6月公開の映画『あんのこと』では、幼い頃から親に虐待され、売春を強要された結果薬物中毒になってしまった主人公を熱演。もがき苦しみながら、少しでも人生を好転させようと歩んでいく姿が絶賛された。続く9月には、俳優に進むきっかけになったという山中瑶子監督との念願タッグ『ナミビアの砂漠』が公開。第77回カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞に輝き、国際的な成功を収めた。 また、「チェンソーマン」の藤本タツキによる読切漫画をアニメ映画化した『ルックバック』では声優に挑戦。見事なパフォーマンスでヒットに貢献した。10月公開の映画『八犬伝』も好成績を残しており、出演作の多くが評価・数字で結果を残した1年でもあっただろう。 2025年も東京国際映画祭で3冠に輝いた『敵』(1月17日公開)、『悪い夏』(3月20日公開)、『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(4月公開予定)、NHK連続テレビ小説「あんぱん」等がアナウンス済み。快進撃はさらに続きそうだ。