河合優実、櫻井海音…「2024年にブレイクした俳優5人」を映画ライターが独自の観点で選出
4.綾野剛
2024年を象徴する作品である映画『ラストマイル』、Netflixシリーズ「地面師たち」の両方に出演したばかりか、『カラオケ行こ!』で年明け早々新たなファンを獲得し、『まる』『本心』を挟んでお正月大作『劇場版ドクターX FINAL』と計6本もの映画&映画に出演した綾野剛。2023年末にはNetflixシリーズ「幽☆遊☆白書」も配信されており、押しも押されもせぬ人気俳優ながら、ここにきてさらにペースアップしている。 かつ、役柄がてんでバラバラなのも興味深い。『カラオケ行こ!』では面白系のヤクザ、『まる』では他人の成功を妬む漫画家志望の男、『本心』では仮想空間上に再現されたVF(ヴァーチャル・フィギュア)と呼ばれる人間に扮し、それぞれにしっかりと説得力を持たせている。加えて「地面師たち」では、不動産会社の社員が詐欺にあったのち地面師に転身する変遷を見せ、別人になりすましてホストクラブに潜入するなど、ひとつの作品中でも様々な顔を見せている。主演・助演関係なく、個性的な役柄に血を通わせられる貴重な存在として、今後どんなエッジの利いた作品に出演するのか期待が高まる。
5.櫻井海音
『僕のヒーローアカデミア』『呪術廻戦』『宝石の国』など、2024年は人気漫画が多数完結した年でもあった。その一作である『【推しの子】』の実写ドラマ&映画版に抜てきされたのが、櫻井海音だ。2023年の人気ドラマ「VIVANT」で主人公の若き日を演じたことで注目度が上昇した彼だが、『【推しの子】』でドラマ単独初主演&映画初主演を果たしたことからも、まさに今年ブレイクを果たした逸材といえるだろう。 Amazon Original ドラマ『【推しの子】』Prime Video にて世界独占配信中 映画『【推しの子】-The Final Act-』2024 年 12 月 20 日(金)より東映配給にて全国公開中 櫻井が本作で演じた星野アクアは、トップアイドル・アイの隠し子であり、彼女の担当医ゴローが転生した姿。母を殺害した黒幕を突き止めて復讐するため、芸能界に進む。周囲に本心を見せないクールな人物像だが、妹ルビーを含めた大切な存在を陰ながら守り抜こうとする。人気漫画の実写化というプレッシャーや役どころの難しさを乗り越えた櫻井の堂々たるパフォーマンスは、大器の証明ともいえるだろう。 『【推しの子】』を経た2025年は、テレビドラマ「御上先生」(TBSにて1月19日放送開始予定)、映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』(2月21日公開)、『お嬢と番犬くん』(3月14日公開)と既に3作品が待機中。ブレイク後の視界も良好だ。 その他、「アンメット ある脳外科医の日記」ほかテレビドラマに出ずっぱりの野呂佳代、伊藤沙莉ほか「虎に翼」の面々、『ブルーピリオド』ほか映画4本&ドラマ1本が世に出た高橋文哉等々、群雄割拠状態だった2024年。続く後編(1月1日配信予定)では、「2025年にブレイクしそうな俳優」をフィーチャー。これまでにない役どころにチャレンジした俳優や、人気俳優の仲間入りを果たしそうな俊英などを紹介していく。
SYO(映画ライター)