「キティちゃん」や「ポケモン」を話題にしたって本当?ユーモアたっぷりだった、チャールズ皇太子の晩餐会スピーチ【ジャーナリストがいま振り返る、天皇陛下と雅子さまの訪英②】
まるで映画のワンシーンのような華麗なパレード、豪華な宮殿での晩餐会……。6月22日から29日にかけて、天皇陛下と雅子さまは英国に国賓として公式訪問をされました。お二人は英国王室や国民からのあたたかい歓迎を受け、式典や晩餐会へのご出席をはじめ、さまざまな施設に足を運び友好親善を深められました。国王王妃両陛下主催の晩餐会では、チャールズ国王がスピーチで「日本文化のシンボル的マンガ&アニメ」にふれるシーンも! どのような晩餐会だったのでしょう? 皇室を長く担当し取材を重ねてきた毎日新聞客員編集委員でジャーナリストの大久保和夫さんに伺いました。 【秘蔵写真】なんてリラックスしたご様子…! 青のニットに身を包んだ英国留学中の浩宮さま。
午餐会に続いて、メインの行事である晩餐会のご出席
――6月25日の夜には、天皇陛下と雅子さまは、バッキンガム宮殿で行われたチャールズ国王とカミラ王妃主催の晩餐会に出席されました。ティアラと勲章にローブデコルテと、最高の儀礼服姿で臨んだ雅子さまの、楽しそうな笑顔が印象的でした。 大久保さん:同じ日の昼に、チャールズ国王夫妻主催の午餐会が開かれていました。陛下は英国留学の際に王族の方たちと交流がありましたから知り合いもたくさんいますが、雅子さまは初対面の方が多い。でも、プレ晩餐会のようなかたちで昼間の午餐会があって、その席で雅子さまは王族の方たちに紹介されていましたから、すでに親しい関係になっていた。それがこの自然な笑顔に表れているのでしょう。 ――もう、みなさんと顔見知りになっているから? 大久保さん:そうです。それぞれの紹介も終わり、非常にリラックスした雰囲気の中で、今回の訪英のメインの行事である晩餐会に臨まれたのです。陛下と雅子さまは自然な笑顔でしたね。それほどよい会だったのでしょう。
キティちゃんは、おしゃれなロンドンっ子
――チャールズ国王のスピーチに注目が集まっていましたね。 大久保さん:そうなんです。ユーモアたっぷりに、日本の文化を讃えられたんですよ。とりわけマンガとアニメに詳しくて、さまざま紹介されていました。キティちゃんって、イギリス生まれだって知ってました? ――えっ、そうなんですか? 大久保さん:ロンドン郊外の生まれだそうですよ。チャールズ国王のスピーチにも盛り込まれています。 スピーチの冒頭で、チャールズ国王は天皇陛下に向かって「おかえりなさい」とおっしゃいました。オックスフォード大学に留学されていて、陛下にとっては英国は第二の故郷といってもいいほど。そんなお気持ちを汲まれたお言葉でした。いっぺんに晩餐会の雰囲気が和らぎましたね。 チャールズ国王は、日本のマンガとアニメを「日本文化のシンボル的存在」と位置づけて、その中に「英国の物語があるのもうれしいこと」と話されました。英国の物語というのは、ハローキティの物語なんですよ。 チャールズ国王は、スピーチでこう話されました。 「ここで、今年50歳になる、ある方について取り上げるのをお許しいただけるかと思います。彼女はロンドンの郊外で双子の妹と一緒に育ち、自らの力で起業家となり何十億ドルもの富を築いたうえ、ユニセフの子ども大使にもなりました。この方、ハローキティのお誕生日を、ぜひお祝したいと思います!」 ――お誕生日とは? 大久保さん:キティちゃん、本名キティ・ホワイトは1974年11月1日生まれ。今年は生誕50周年だそうです。 ――キティちゃんって、ロンドンっ子だったんですね! かわいさのヒミツは、ロンドンで磨かれたものかもしれませんね。