3つの指標を提案 専門家会議が会見(全文5)大阪モデルとは目的が違う
新型コロナウイルス対策を検討する政府の専門家会議は14日夜、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「政府の専門家会議が会見 「緊急事態宣言」解除の基準は?(2020年5月14日)」の中継開始時間に対応しております。 【動画】政府の専門家会議が会見 「緊急事態宣言」解除の基準は? ◇ ◇
PCR検査と抗原検査、抗体検査の目的は?
Business Insider Japan:Business Insider Japanの三ツ村と申します。2点質問がございます。1点目が検査に関してのものと、2点は数値的なものについて。まず検査のほうについてからです。日本の場合、検査について情報が結構錯綜しがちで、いろいろ議論を呼んでしまっている状態ですので、いったんそれを整理したいなと思って質問をさせていただきたいと思っております。 先ほど尾身先生のプレゼンテーションの中で、PCR検査と抗原検査の役割分担について考えるべきだというお話があったと思いましたけれども、専門家会議としてはどういうふうな体制で行うというのが好ましいと考えておりますでしょうか、その理由と併せてお願いします。それに加えまして、承認されているものではないですけれども、研究レベルで抗体検査というものが行われて、論文等も出てきている状況かと思います。そのデータが独り歩きして、ちょっと一般の方に誤って伝わってしまうという現象も起きております。 どんな検査であっても、本来検査は何かしらの目的があってなされるべきものだと認識しておりますので、今ある3つの検査、PCR検査と抗原検査、そしてこの抗体検査、この3つの検査というのはそれぞれ何を目的に行われるものだと理解すればよいのか、専門家会議としての見解を教えていただきたいと思います。これがまず1点目の質問です。
抗体検査は過去の感染を調べる
脇田:もちろんPCR検査と、それから迅速抗原検査、こちらは新型コロナウイルス感染症の現在の感染を調べるものですね。もちろんPCR検査のほうがより感度が高くて精度も高いということがありますけれども、一方で時間が掛かりますし、それから検体を採取して、それからそれを実際に検査を行う場所まで輸送してという、時間も手間も掛かるというところがあります。 ただ、迅速抗原検査の場合は検体を採ったその場で検査ができますので、感度はやや劣りますけども、それでもかなりの感染者を同定できるということで迅速性があるということがあります。 それから抗体検査のほうですけども、これは過去の感染を調べるということになりますけども、抗体というのは誰でも抗体、イムノ、免疫グロブリンというものは持っているわけですね。なのでこの抗体検査って非常に疑陽性はどうしてもつきまとうものなんです。ですから、検査の特異度というものが非常に問題になってくる場合があります。99.5%程度だとしましても、1000人検査をすると5名程度は疑陽性が出てくるといったところがありますので、それについては非常に注意深く結果を見る必要があるということになります。 現在、免疫パスポートという考え方がありますよね。ただ、感染して抗体ができたから、もうその人は免疫があるので、二度がかりはしないということで免疫パスポートという考え方があるんですけれども、実際には本当にその人が防御免疫を獲得しているかどうかということの証明には今のところなっていないので、世界的に見てもWHOも、それからそのほかの国際的な大学等でも、免疫パスポートという考え方には今のところは慎重にならなければならないというのが、今のところのコンセンサスになっています。 Business Insider Japan:いわゆる抗体検査っていうのは、われわれ一般の人にとってはあまり直接的感染予防等には関係ないものであって、あくまでも研究レベルのものというような認識をしてよいでしょうか。 脇田:そうはいっても、過去の感染がどの程度あるのかということが分かりますので、例えば広く一般の方を検査していけば、実際に市中感染がどの程度あったかということは知ることができるということがあります。 Business Insider Japan:その推定のためには役立つかもしれない。 脇田:役立ちますね。 Business Insider Japan:ただ、その数値はうのみには、ただダイレクトにはやってはいけないという。 脇田:それともう1つ、抗体検査にも今非常にたくさんの種類があって、いろんなところで作られたものが、国産のものも出てきていますけれども、ありますので、その性能を、精度等をよく確認をして使うということが重要だというふうに思っています。