「お地蔵様」の正体は“閻魔大王”!? 意外すぎる事実と誕生・伝来の秘話
日常の気になる疑問を解決!お地蔵さまの正体って誰?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。 【写真】上智大生殺人放火事件の被害者の父が建てた「順子地蔵」
知って楽しい!おもしろ雑学
Q.お地蔵さまの正体って誰? A.お地蔵さまは、あの世で極楽行きか地獄行きかを決める、閻魔大王と同一人物です。(東北福祉大学学長 宝林寺住職 千葉公慈さん) 道端や墓地、寺院などにいるお地蔵さま。昔話の「かさ地蔵」も有名で、なんとな~くありがたい存在とは知っているものの、そもそも何の石像かと聞かれるとわからない。 お地蔵さまの正体は何なのか、東北福祉大学の学長で、現役の住職でもある千葉公慈さんに話を聞いた。 「お地蔵さまは、みなさんがよく知る『閻魔(えんま)大王』と同一人物です。お地蔵さまは正式には『地蔵菩薩(ぼさつ)』といい、仏教の発祥地であるインドで生まれました。 仏教をつくったお釈迦さまが亡くなったあとに、弟子たちが『お釈迦(しゃか)さまの代わりに人々に寄り添って、救ってくれる存在が必要だ』と、あちこちに石像をつくったといわれています」(千葉さん、以下同) では、いつから閻魔大王と同一人物といわれるように? 「仏教がインドから中国へ伝わった際に、地蔵菩薩と閻魔大王は同じという考えが生まれました。中国の道教という宗教にはあの世に13人の審判がいて、その1人である閻魔大王が最終的にすべての人々を裁いて導くとされていました。 それが、この世ですべての人々を分け隔てなく救う地蔵菩薩の姿と重なり、この世では地蔵菩薩として人々を救い、あの世では閻魔大王の姿となってすべての人を裁き導く存在と信じられたのです」 日本に伝わってきたのは平安時代の終わりごろだそう。 「悪事を働いた人でさえも見守って救ってくれる存在なので、さまざな宗派や仏教、全国各地の民間信仰と結びつきやすく、道端や畑の一角など、いろいろなところにお地蔵さまが建てられたのです」