意外と知らない免許証のグリーン・ブルー・ゴールドの意味。「マイナ免許証」の導入で何が変わる?
更新時の講習時間などに優遇もあるゴールド免許
一方、優良運転者を意味するゴールド免許は、継続して免許を受けている期間が5年以上、かつ違反やケガのある事故を起こしていない人が対象となります。 ブルー免許の一般運転者と有効期間は同じですが、後述する免許更新時の講習について、時間が短く手数料も安く、運転免許試験場だけでなく警察署などでも更新手続きができるといったメリットがあります。 また、たとえば、ゴールド免許だと、自動車保険の保険料が割り引きされるなど、ほかにもさまざまな特典があります。 なお、ブルー免許の一般運転者とゴールド免許について、5年という有効期間は70歳未満が対象です。70歳では有効期間4年、71歳以上では有効期間3年となります。近年、自動車のアクセル踏み間違いなどによる事故が社会問題となっている高齢者の場合は、たとえ無事故・無違反でも有効期間は短く設定されているのです。
更新時の講習も免許の区分で異なる
これら免許の区分では、免許の更新時に受ける講習についても、時間や内容、手数料が変わってきます。主な違いは以下の通りです(2024年9月現在)。 【優良運転者講習】(ゴールド免許) ・講習時間:30分 ・更新・講習手数料:3000円 【一般運転者講習】(ブルー免許) ・講習時間:1時間 ・更新・講習手数料:3300円 【違反運転者講習】(ブルー免許) ・講習時間:2時間 ・更新・講習手数料:3850円 【初回更新者講習】(ブルー免許) ・講習時間:2時間 ・更新・講習手数料:3850円 これらのうち、優良運転者講習は運転免許試験場だけでなく、指定された警察署でも受講できるほか、たとえば、東京都に居住している場合は、運転免許センターでも受講可能です。 また、一般運転者講習も、東京都の場合などは、運転免許試験場か運転免許センターで受講できます(講習を受ける場所は各都道府県の公安委員会によって違うため要確認)。
マイナ免許証の導入で講習費用なども変わる?
ちなみに、警察庁は、2025年3月24日から、運転免許証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ免許証」の運用を開始する方針です。 マイナ免許証とは、運転免許証のICチップに入っている免許固有の情報を、マイナンバーカードのICチップへ記録するもの。運転中は、それを携帯していれば、運転免許証を所持していることと同じ扱いになります。 なお、運転免許証とマイナンバーカードを一体化するか否かは任意。「従来の免許証だけ」「マイナ免許証だけ」「従来の免許証とマイナ免許証の2枚持ち」といった3つの方法を選択可能です。 このマイナ免許証の導入により、免許証の区分などに大きな変更はないでしょう。ただし、警察庁では、この制度導入を契機に、免許更新時の手数料などを見直すことも公表しています。 免許の区分に応じた更新を行う際の手数料などを基本的に値上げするほか、前述の「従来の免許証だけ」「マイナ免許証だけ」「従来の免許証とマイナ免許証の2枚持ち」といった各ケースの手数料を変える方針を明かにしているのです。 より具体的には、例えば、免許証を更新をする場合、免許証交付の手数料は以下の金額になる方針です。 ・マイナ免許証のみ:2100円(-400円) ・従来の免許証のみ:2850円(+350円) ・両方持つ場合:2950円(+450円) 従来、免許証を更新をする場合、免許証交付の手数料は2500円。そのため、マイナ免許証のみの場合は値下げとなりますが、従来の免許証のみや両方持つ場合は値上げとなります。