西野亮廣が着る、“染まらない”オトコのスタイル PART3
── 西野さんが新しいことに挑戦する原動力はなんですか? 西野 とにかく知りたい、わかりたいという好奇心だけが、子供の頃からずっと原動力になっていて、今に至っています。実はエンタメじゃなくて、農業でもなんでもいいんです。結果がいい方に進んでも悪い方に進んでも、誰もやってないことに挑戦するのは、毎回やっぱり面白いですね。 コンプレックスが原動力だと弱いんですよね。瞬発力はめっちゃあるので、瞬間最大風速としてはバッと勢いがあるけれど、成功すれば貧しさは解消されるし、モテないのがネタだったのに女優さんと結婚しちゃったり。そうするとコンプレックスは、いつかどこかで解消されてしまう。でも、好奇心はどこまで行っても終わらないから、ずっとモチベーションが続くし楽しいんですよね。まるで海水を飲んでいるみたいに、ずっと喉が乾いたままなんです。 ── テレビで活躍していた時より、今の西野さんの方がずっと自由ですよね。 西野 テレビでは編成の人が番組を決めて、芸人は決まった制作費とルールの中で面白いことをやる。その制限のある中でプレイするゲームも面白いんですけれど、今はルールから自由に自分で作れるからもっと面白いですね。 僕の先輩たちの世代は、テレビ局の上に広告主という圧倒的な親がいて、そこに反抗していると活動できなかったんですよね。それに比べると、僕らはデビューしてすぐテレビに出られて、ちょうどその頃にインターネットが普及したので、世間の認知度を獲得してから、クラウドファンディングやオンラインサロンというお客さんからダイレクトに課金してもらえるインフラが整った世代。広告主がいなくても、YouTubeやSNSなど、活動の場も自分たちで作れます。時代の移り変わりによる恩恵をめっちゃ受けていると感じますね。
── メディアやビジネスモデルを含めて、今世界は急速に変わっていますが、40代、50代となるとなかなかその流れについていけず、置いてけぼりになっていると感じている読者も少なくないかと。これからの時代、大人はどう生きていけばいいと思いますか。 西野 50代はぶっちゃけまだ若いです。これからまだ30年、40年と生きていくわけですから、その間に何回も時代が変わる。つまり、このまま逃げ切れる世代ではないんですよ。そうなると、もう知らないこと、新しいことを勉強しまくるしかないなと思います。 僕、定期的に東野幸治さんに捕まるんですよね(笑)。で、ふたりで飲むと、もうずっとインタビューです。「今何が面白くて、何が気になっているのか、全部教えて」って(笑)。芸人として結果を出して、あれほどの立場があるのにまだ教えてと言えるのは、すごくカッコいいし、すごく柔軟だから東野さんはずっと若いんですよ。 人生の先輩方にあまり偉そうなことは言えないのですが、一つ言えるとしたら、知らないことを恐れないで欲しいです。自分が知らないことをなんでも否定して、ご意見番として生きるよりも、自分の知らないこと、弱さを認めたうえで「教えて」と言える大人の方が、断然カッコよくないですか? 僕自身も60代、70代になっても、好奇心の赴くままそれだけは絶対に言い続けていこうと思っています。 ※掲載商品はすべて税込み価格です