「古都京都の文化財」世界遺産登録から30年、令和の難題オーバーツーリズム対策は…松井孝治市長が語る
受け入れ環境整備へ全国で宿泊税の検討相次ぐ
外国人観光客が増える中、宿泊税などの法定外税の導入や引き上げを検討する自治体が相次いでいる。観光客の受け入れ環境の整備や、人手確保の財源にするためだ。
総務省によると、宿泊税は現在、東京都や京都市など10の自治体で施行されており、3自治体も導入に向けて同省の同意を得ているという。
大阪府は早ければ来年の大阪・関西万博の開催中に、1人100~300円の宿泊税を、200~500円へ引き上げる方針だ。これまで外国人向けの多言語表示の観光マップ作成などに活用しており、万博を機にさらに充実を図る。
広島県廿日市市は昨年10月、世界遺産・ 厳島いつくしま 神社がある宮島を訪れる観光客らを対象に、法定外税の一種「入島税」(1人100円)の徴収を開始。トイレや公園、道路の整備に充てている。
ただし、こうした動きは観光客の負担増につながり、客離れを生みかねない。松井孝治・京都市長も「『取れるだけ取る』という発想ではない。あくまで観光客が訪れやすい街にするためのものだ」と語る。安易に課税に踏み切るのではなく、導入にあたってはしっかり議論を煮詰めてほしい。