クアルコム、新たなSnapdragonプラットフォームで自動車分野にさらなる注力
考え、先を読み、娯楽を提供し、時間を節約し、安全で快適な乗り心地を保証するクルマは、AI対応のシリコンに依存している。クアルコムのSnapdragon(スナップドラゴン)はこの革命のリーダーになり得るだろうか? 実際のところ、彼らはすでにその地位を築いている。 毎年恒例のSnapdragon Summit(例年通り、美しいハワイ・マウイ島で開催)は、Snapdragonを消費者ブランドとして確立することを目的としたクアルコムの広報イベントだ。Snapdragonはこれまで高級スマートフォンに焦点を当ててきたが、エッジコンピューティングや特に自動車業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の急成長も視野に入れ、そのリーダーシップを拡大している。 今回初めて、クアルコムはマウイでのSnapdragon Summitにおいて、自動車分野に丸一日を充てた。また、初日に発表したスマートフォン向けのSnapdragon 8 Eliteと同じCPUコア「Oryon(オリオン)」を活用した2つの新しいプラットフォームを発表している。 これらの新しい自動車向けSoC(システム・オン・チップ)は、Snapdragon Ride Elite(ライド・エリート)とSnapdragon Cockpit Elite(コックピット・エリート)だ。名前が示すとおり、Rideはレベル3までのADAS(先進運転支援システム)の計算エンジンを提供し、Cockpitは自動車体験を新たな機能性と快適さのレベルに引き上げるデジタルインフォテインメントシステムを提供する。また「Elite」の名称はこれらが高性能なSoCであり、10年間のライフサイクルをサポートする十分な余裕を持つことを示している。 クアルコムは、他のSoCベンダーが追随できない巨大な自動車向けエコシステムを構築している。市場への浸透という観点では、CEOのクリスティアーノ・アモンは最近、「実際、私たちが関わっていない自動車メーカーを挙げる方が難しい」と述べている。そしてそれはグローバルな規模での発言だ。クアルコムは現在、自動運転技術で業界をリードする中国においても非常に強力である。クアルコムによれば、現在、数億台の車両がSnapdragonを使用しているという。