【ついに来たか】住宅地に囲まれた"熊本市民の憩いの場"立田山でアライグマ初確認 人に感染する病気を持っている可能性も
KKT熊本県民テレビ
熊本市の「市民の憩いの場」として知られる立田山で11月、野生のアライグマの姿が確認されました。立田山での確認は初めてです。
11月3日午後11時前、イノシシ用に仕かけていた無人カメラが捉えたのは、成体とみられるアライグマです。エサを探しているのでしょうか、鼻を地面に近づけています。アライグマは熊本県内各地で生息が確認されていますが、立田山で確認されたのは初めてです。
■森林総合研究所九州支所 安田雅俊森林動物研究グループ長 「ついに来たかって感じでしたね。立田山は周りが住宅地に囲まれているので、すぐには来ないだろうと思っていたんですけど、割と早く入ってきたと思います」
熊本市の中央区と北区にまたがる立田山。周辺に広がるのは住宅地です。今回、撮影されたのは、立田山の南側にある森林総合研究所九州支所の敷地内です。豊な自然が広がる中、多くの生き物が暮らす立田山。専門家は生態系への影響が懸念されると指摘します。
■森林総合研究所九州支所 安田雅俊森林動物研究グループ長 「今まで住んでいた在来の生き物のエサを奪ってしまって、在来の生き物の数が減ってしまう懸念があります」
アライグマは、北米原産で日本にペットとして輸入され、その後、全国で野生化。生態系などに影響を及ぼすため、環境省の特定外来生物に指定され、ペットとして飼育することが禁じられたほか、駆除の対象になっています。
熊本県内でも2012年から確認され始めると、生息範囲は広がり、今年9月末までに28市町村で確認されています。今年度、捕獲されるなど生息が確認されたのは、10末時点で114件に上っています。アライグマの確認を受け、熊本市は専門家とともに生息エリアの調査に乗り出したということです。
専門家は、人に感染する病気を持っている可能性もあるとして、見つけてもむやみに近づかないよう注意を呼びかけています。 ■森林総合研究所九州支所 安田雅俊森林動物研究グループ長 「しっぽがシマシマな野生動物は日本にほかにいないので、とても大きな特徴。もし見かけたら、その場所の写真を撮るなどして行政に連絡していただけたら」