国学院久我山 イチローさんの言葉で自信「考える野球」貫く センバツ
第94回選抜高校野球大会は第10日の30日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準決勝があり、初の4強進出となった国学院久我山(東京)は大阪桐蔭に4―13で敗れた。 【国学院久我山vs大阪桐蔭 熱戦を写真で】 国学院久我山は打順が一巡した三回まで無安打、5三振。力強い直球と鋭い変化球を制球良く投げる大阪桐蔭の川原に手も足も出なかったが、2巡目に入った中盤以降に意地を見せた。 0―11で迎えた六回、連打と犠打で1死二、三塁の好機を作り、3番・木津が初球の135キロの直球を積極的に振り抜くと、打球は一、二塁間を破り、2人が生還した。 木津は一回にカウント2―2と追い込まれ、最後は6球目の内角直球に詰まらされて二ゴロに倒れた。その打席で、好投手を相手に追い込まれたら勝ち目はないと痛感し、尾崎監督に「早いカウントの方が打ちやすい」と伝えた。「いいぞ、行けよ」と尾崎監督に背中を押され、六回は自身の考えを体現する初球打ちを見せ、この試合のチーム初得点をスコアボードに刻んだ。 「(進学校の)久我山の選手は頭がいいから考える。でも、それでいいんだよ。苦しいから開き直れというのは嫌で、考えてほしい。野球は本来は考えるスポーツ」。米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチローさん(48)から昨年11月に指導を受けた時にもらった言葉は、選手の自信につながった。 攻撃では投手と対戦して肌で感じたことを試合中に選手同士で情報交換し、臨機応変に作戦を見直した。守りでも相手打者の特性を分析し、配球と連動しながら1球ごとに守備位置を変えるなど、選手らが考えた結果を積極的にプレーに反映させた。 敗れはしたが、大会前の目標だった8強を超え、過去最高の4強入りを果たした。「選手とのやりとりを試合中に重ねられたことが収穫。イチローさんから背中を押していただいた部分を、甲子園という舞台でしっかり発揮できた」と尾崎監督。チームの形として確立した「考える野球」は、新たな歴史の一ページを刻む原動力になった。【川村咲平】 ◇決勝戦もライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では、決勝もライブ中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。