ヘルメットをかぶるのは当たり前?愛媛県の着用率は59.9%!高い着用率を誇る理由とは
この事故がきっかけとなり、愛媛県では2015年、全国で初めて、県立高校で通学時のヘルメット着用を義務化しました。当時の旗振り役だった松山大学の長井俊朗教授は、着用率を高める工夫があったと振り返ります。 (松山大学・長井俊朗教授) 「(生徒が)実際に試着してみるのはいいことだった。生徒が思っているより、はるかに軽いと。全学年一斉に、無料で(ヘルメットを)配布した」 義務化前の2015年に0.6%だった高校生のヘルメット着用率は、私立高校でも義務化が進んだ2018年には97.3%になりました。 県の担当者は、高校生のヘルメット着用が当たり前になったことが、他の世代にも広がった一因とみています。 (ヘルメットを着用している愛媛県の男性) 「公道を走るから(ヘルメットを着用している)。こどもたちもかぶっているからね」 (千葉県からの旅行者) 「レンタサイクルでヘルメットも付けてくれた。愛媛の人は自転車に乗る時に結構ヘルメットをしているので、していないと変な目で見られるかなと思って」 ■ヘルメットの種類が増加 誰もがかぶりたくなるデザインに 子どもたちの間で着用が当たり前といえる環境を作る。ヘルメット着用を学生から広めようとする取り組みは、愛知県でも行われています。 知多市立知多中学校は、自転車通学をする生徒が4割を占めています。通学路は道幅が狭く、交通量が多い場所もあります。 警察も自動車の速度の取り締まりを行うなど目を光らせていますが、安全に自転車に乗ってもらおうと学校は校章が入った学校指定の白いヘルメット着用を呼びかけていました。 一方生徒たちに聞いてみると「友達と遊ぶ時、周りの人がかぶってないことが多い」などの理由で、日常生活ではヘルメットを着用しないことも多かったようです。 知多中学校では2024年4月、ヘルメットの指定をやめ、キャップのような見た目のものや、色鮮やかなものなど、生徒たちは好みのデザインを選べるようになりました。 休みの日でも、そして卒業後もかぶってもらうため、“かぶりたくなる”ヘルメットで「習慣化」を目指す試みです。