髪は膝下まで伸び、歯はボロボロに欠け、身体はガリガリに…14歳から17年間“引きこもり”だった男性(50)が明かす、壮絶な引きこもり生活
――食事は家族と一緒にしなかったのですか。 糸井 最初の頃は、お昼にスーパーのお弁当とか、近くの中華料理屋の出前のラーメン、喫茶店のピラフなんかを買い与えられていました。 でも、食事のときに家族と同席することはなかったし、同じものは食べなかった。家族とはコミュニケーションを取らないようにしてました。 ――家族のことを完全に拒絶してしまった。 糸井 そうです。あとは、母への抵抗から髪の毛を切らず、伸ばしっぱなしにしたりもして。
17年間も髪の毛を切らなかった理由
――なぜ髪の毛を切らないことが、お母さんへの抵抗なのですか。 糸井 母は美容師なのに、いつも私の髪の毛をバリカンで剃って丸刈りにしていたんです、小さい頃から。それに対する不信感もあったから、母親に髪を切らせないことで、「怒っているぞ」「許さないぞ」という気持ちを示そうとして。 結局、17年間も髪の毛を切らなかったから、最終的には膝下くらいまで伸びてしまいました。 ――身体を張って自身の気持ちを訴えようとした。 糸井 ひげも剃らなかったし、風呂にも入らず、服も着替えず、歯も磨かないという生活がずっと続きました。 そうしたら、歯が悪くなってしまって。虫歯を放置していたら、歯がボロボロに欠けてしまったんです。だから硬い物は食べられず、惣菜パンとか、柔らかいものしか食べなくなりました。
治療や病院に行けず、健康状態が悪化
――治療には行かず? 糸井 もともと劣等感が強いうえに容姿も悪くなっているから、外に出ることが怖くなってしまったんです。だから歯の治療や病院にも行けなくて。 ――そういう生活を送っていたら、健康状態も悪くなるのでは。 糸井 歯が欠けてしまって食べられるものが少ないし、治療にも行けないから、自室に持ち込んだオーブントースターと玉子焼器で、やわらかいパンケーキや具のないお好み焼きを作って食べていました。そしたら、ガリガリに痩せてしまって。最終的には、177センチで57キロまで体重が減ってしまいました。
【関連記事】
- 【続きを読む】「入院当時の自分は異常だった」「でも、恋愛や就職を諦められず…」17年間“引きこもり”だった50歳男性が、大学に入学して社会復帰を果たすまで
- 【もっと読む】中2で不登校→17年間“引きこもり生活”→31歳で精神科病院に入院…「死ぬ一歩手前」まで追い詰められた50歳男性が語る、幼少期の複雑な家庭環境
- 【写真を見る】17年の引きこもり生活で、髪は膝下まで伸び、歯はボロボロに欠け、身体はガリガリに…後遺症と闘っている糸井博明さん50歳
- 母は小学校入学直前に突然死、父は“同級生の母親”と交際して家出…小2で一人暮らしになった47歳芸人が語る、幼少期に味わった“孤独”「僕にはゲームしかなかった」
- 「お母さんは16歳で僕を産んだ」「何日もオムツを替えられず放置され…」“戦隊俳優”古原靖久(37)が明かす、児童養護施設に入った経緯