入学してわかった聖光学院のすごさ…東大100人進学の神奈川トップ校が「塾いらず」の理由
塾いらずと言われる理由
聖光は、塾がいらないと言われる。どんな体制なのだろうか。 「他校と比較はできないけれど、生徒のためを考えてくれる学校だなって感じます。塾いらずはどこの塾を想定してるかっていうと、鉄緑会とか東大を目指す塾ですね。 学校がスパルタだから、スパルタ塾に行く必要がないと、私は思います。先生が優しく手とり足取り指導するというよりは、勢いや熱意がある。しかも先取りで、進みがすごく速い。 中高一貫校に行くと、東大を受ける特別な勉強をプラスアルファでやるために、塾に行かなきゃいけない。聖光は、6年間のカリキュラムで東大受験に十分対応できるということなんです。ただ、勉強の仕方が重要になる。ついて来られない学生のための補習もあります」 さらに、Sさんは東大卒の先生が多いことも魅力だという。「力のある先生が説明してくれるので説得力があり、みんな集中して聞く。東大受験の体験談も交えてくれる。だから、塾は必要ないんだなって思います。学校のカリキュラムをしっかりやっていれば、志望を達成できるという、安心感があるんです」 今、Sさんの長男は国公立大の医学部で家から通えるところを目指している。 「学校の部活動も満足しています。いろいろな部活動があって、受験前にいいなと思った部活に入り、充実していますよ」 ちなみに、聖光学院の上級生の保護者に聞くと、自習室は高校3年生のみ、土日祝日や長期休みも利用できる。さらに高校3年生は、食堂の夕食を別注できる。学習時間は21時までで、お腹を満たして勉強に打ち込める。昼は食券を買って、学食メニューを食べられる。 聖光学院生は学校の勉強以外に、多様な活動に力を入れているという。そのプラットフォームづくりは学校がしている。ただし、高2まで活動を満喫したら、高3にはできる限りの学習環境を提供する。そうした姿勢が、合格実績につながっているようだ。
なかの かおり(ジャーナリスト)