入学してわかった聖光学院のすごさ…東大100人進学の神奈川トップ校が「塾いらず」の理由
最初は戸惑った学校の勉強
さて、志望した聖光学院に入学して、学校生活はどうだろうか。 「進学校に行けば行くほど、中の競争も厳しいんですよね。できる子ばかりなので、一番になる子もいるけど200番とかもあり得る。小学生時代は学校で一番だった子が、中学になったらビリから数えた方が早いことも珍しくない。プライドがズタズタになりますよ。できれば上位3分の1ぐらいにいたい。 でも聖光だと、上位半分以上にいたら、好きな大学に行ける感じですね。進学校でも、大学の合格実績から、何番以上に入れば安心できるというか、プライドが保てる目安があるんですね。聖光の場合は、以前は80番以内、今は100番以内。東大の合格者から計算して、心理的なボーダーが100番以内みたいです。 どこの進学校に行っても、同じようなことが起きていて、私の知り合いの保護者の皆さんも落ち込んじゃったとか、お子さんがもう学校に行きたくなくなったとか、聞きます。そういうときに、どうやって過ごせばいいのか。何のために、この学校に行くのかを改めて考えることです。息子の場合、勉強はあくまで手段で、医師になるという将来の目標のために、ここにいる。だから大切なのは順位じゃなくて、その職務につけるための学力をしっかり身につけることです」
良くない順位でも子どもを傷つけない
Sさんは、最初は良くない順位かもしれないが、子どもを傷つけたり諦めたりしない方がいいという。 「最初って、勉強の仕方も、先生が何を求めているかも、説明も簡単にはわからない。参考書をどういうふうに使うかも。例えば、上のお子さんがいれば傾向がわかるけど、初めてならテスト対策ができない。それで思ったような成績が取れない子もいる。自暴自棄になって、自己卑下しないことが大事ですね。 息子には、なりたいのはお医者さんだったよねって話して。できない問題がわかっているので、先生に勉強の仕方を聞く。授業の受け方、ノートのとり方、問題の解き方、複合的なんですよね。中学受験の方が楽なんです。過去問対策が中心ですから。中学校で、本当の勉強が始まったんです」 先生に質問しに行って、各教科の勉強の仕方が、だんだんわかってきた。 「ノートの取り方も変わりました。親がちょっと勇気づけてあげないと、なかなか自分ではできない。人生がどの位置にあるか。ここで6年間過ごす中、テストの点数が悪かったからって未来がなくなるわけじゃないから大丈夫と」