「きのこ」をおいしく食べたい!!なぜ“水洗い”と“生食”がNGなの?きのこ調理の豆知識を栄養士ライターが解説
きのこ調理の“基本”を知っていますか?
秋の深まりとともに恋しくなる鍋料理や炊き込みごはんに欠かせない名脇役が、「きのこ」。ビタミンDやビタミンB群が豊富で、栄養面でも縁の下の力持ち。でも、下ごしらえや調理方法を間違えると、せっかくの栄養やうま味を逃してしまうことに。よりおいしくいただくための豆知識をご紹介します。 【画像】知らなきゃ損!これが、栄養士が教えるきのこの《調理方法》です!!(8枚)
豆知識1:「マッシュルーム」以外は加熱調理を
きのこには、アレルギー反応や食中毒の原因菌や有害物質がわずかに含まれている可能性があり、基本的に生食NG。必ず加熱調理しましょう。生の状態では少量のうまみ成分(グアニル酸)が加熱することで増え、香りも良くなります。お鍋や味噌汁の具に使う場合は水から加えて、きのこの天然ダシを引き出しましょう。例外として、新鮮なマッシュルームは生食OK。ただし、傘が開いて軸が伸び、黒ずんで見えるものは鮮度が落ちている可能性があり、見極めが大切です。不安な場合は加熱して食べるようにしましょう。
豆知識2:「なめこ」以外は水洗いしなくてOK
市販されているきのこは、水洗い不要。水にさらすと風味や食感が損なわれ、水溶性の栄養素(ビタミンB群、カリウムなど)が流れ出てしまうためです。汚れが気になる場合は、湿らせたキッチンペーパーなどで拭き取る程度にしましょう。 なめこは、ぬめりに混じって不純物が付着していることがあるため、軽く水洗いして調理しましょう。なお、石づきと呼ばれる軸の下部(かたく茶色っぽい部分)は口当たりが悪く、栽培時のおがくずなどが付着していることもあるため、包丁で気になる部分を取り除きます(しめじは手でほぐしてから根本を少しだけ切り落とすと食品ロスが少ないです)。
豆知識3:調理前のプチ天日干しで栄養価アップ
きのこの栄養が特に凝縮されているのが、傘の内側部分。調理前に30分程度、傘の内側を上にして日光に当てると、ビタミンDを効率よく摂ることができます。これは、きのこに含まれる栄養成分のエルゴステロールが紫外線に当たることでビタミンDに変わるためです。 表面が少し乾燥し、味が染み込みやすくなる利点もあります。シイタケ、マイタケ、シメジが天日干ししやすいでしょう。完全に乾燥させるわけではないので手早く使いきってください。