【ロッテ】佐々木朗希 MLBスカウトが「まずはクローザー」と言うワケ
ロッテは9日、佐々木朗希投手(23)のポスティングシステムを利用しての米大リーグ挑戦を容認したと発表した。ドジャース・大谷翔平投手(30)と同様に高卒5年目で海を渡る佐々木は〝25歳ルール〟に該当し、年俸も低く抑えられる。それでも「マイナー契約からはい上がって世界一の選手になれるよう頑張る」と迷いはない。最速165キロ右腕の「米球界1年目」は果たして、どんな船出になるのか――。 【写真】脚長すぎ!佐々木朗希 現行の「25歳ルール」があるポスティングシステムの制度上、契約はマイナー契約となるが、米球界関係者は「彼の持っている力を考えれば、すぐにでも、メジャーで使うと思う」とMLBでも〝即戦力〟としての期待を担うことになりそうだ。 今季までのロッテに在籍した5年間は通算64試合に登板した佐々木の持ち場は全て先発投手としての起用だった。だが、MLBスカウトのなかには米球界1年目シーズンは「クローザー」としての起用を薦める声もある。ア・リーグのスカウトは「もちろん、本人は先発志向だろうけど直球は平均球速で155キロ以上出るし、フォークも一級品」と、今季も10・46と高い奪三振能力があり、抑えとしての適性も十分と指摘する。さらに、まずは短いイニングを主戦場とすることで、選手寿命においてもプラスに働く可能性が高いからだともいう。 「彼のここまでの一軍先発でのイニング数の推移を見れば、そういう傾向にある。100イニング以上を投げた翌年の投球回は2桁止まり。これは、やはり人よりも高い出力で投げれるがゆえの体の負担の大きさを物語っている。メジャーでも160キロを出す直球とスプリットなどの落ち球を操るパワータイプの投手は、先発で150回以上投げた翌年に、故障する傾向が出ているからね」 2010年代にメッツなどで活躍した速球投手ノア・シンダーガードなどが代表例で、24年で言えば、千賀(メッツ)なども昨季の166イニングから、今季は春先から右肩に故障を発症し、長期離脱。シーズンでは、約5イニングにとどまった。前出関係者が、MLBでのキャリアのビジョンとしても〝有効な起用法〟とするのはこの視点からだろう。 「先発ならば高い出力で投げる作業を1試合に5、6回繰り返して、これを維持しなければならない。でも、中抑えやクローザーであれば1イニング投げれば連投しても、最低24時間は休むことができる。メジャーでも、徐々にイニングのアベレージを増やしていったほうが、結果的にも、先発ローテ―ション投手として長い年月、活躍できると思う」 来季、メジャーで登板となれば23歳でのデビューとなるが、年齢的にもまだキャリアのピークとなる年齢ではない。そんな〝発展途上〟にある右腕だけに、MLBの舞台ではNPBとは違う姿で船出となるケースも出てくるかもしれない。
東スポWEB