関東人と関西人で異なる「大宮駅」のイメージ 埼玉の巨大ターミナルと、京都の地元密着駅
「2023年より大宮駅が開業した3月16日を『おおみや鉄道の日』と定め、『鉄道のまち大宮』のロゴマークを制定してPRを行い、周年イベント実施やロゴ商品販売などもしています。また鉄道博物館へのアクセスとなるニューシャトルの改札口までの通路は『てっぱく通り』と名付け、壁面に『鉄道博物館のあゆみ』を掲出しています」 一方さいたま市では1年前の2021年、「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」を策定している。
国が策定した首都圏の国土づくり戦略の中で「東日本の玄関口」と位置付けられ、大宮駅周辺が「都市再生緊急整備地域」の指定を受けたことに対応したもので、現在の東西連絡通路の北側にもうひとつ自由通路を開設したり、東口に交流空間や交通広場を新設したりする計画が挙がっている。 ■関西で大宮駅と言えば… ここまでさいたま市の大宮駅を紹介してきたが、関西の人たちは「大宮と言えば京都でしょう」と思っているかもしれない。たしかに大宮の2文字で名前が完結している駅は、京都市内の阪急電鉄京都本線にもある。京都もまた、梅小路蒸気機関車館が前身の京都鉄道博物館を有する西の「鉄道のまち」である。
阪急京都本線は大宮駅の西隣、西院駅の手前で地下に入り、四条通の下を東進する。大宮駅は大宮通と交わる四条大宮交差点の下にある。交差点の北東角に駅舎(大宮阪急ビル)があり、北西角と南東角、交差点のやや西にも出入り口がある。 交差点を挟んで駅ビルの反対側、つまり南西角には京福電気鉄道嵐山本線四条大宮駅が位置し、南東角は駅前広場になっている。嵐山本線は帷子ノ辻から分かれる北野線とともに嵐電の名で親しまれる軌道路線だ。
大宮通は、平安京のうち天皇の居所だった平安宮(大内裏)の東側を走る東大宮大路に由来する。平安宮はJR西日本山陰本線二条駅の北、千本丸太町交差点付近にあったそうで、現在は市街地化しているが、現地からはいくつか遺跡が発掘されている。 駅が生まれたのは四条大宮駅のほうが早く1910年で、21年後に京都本線の終点として大宮駅が開設されているが、当初は両方とも、「京都駅」を名乗っていた。 ■もともとは「京都駅」だった