「タイガー・シード」ファンド、ロバートソン氏の会社を提訴-契約巡り
(ブルームバーグ): ジュリアン・ロバートソン氏のタイガー・マネジメントが設立時の資本(シードマネー)を提供した「タイガー・シード」ファンドの一つであるハウンド・パートナーズが、2004年の投資契約の無効を訴えている。
18日にニューヨークで起こした訴訟でハウンドは、資本の提供に加え顧客紹介を約束した「マーケティング合意」だったと同社が主張する契約を、タイガー側が履行していないと訴えた。
ハウンドによると、タイガーは2300万ドル(約35億6000万円)の投資に対してこれまでに1億5000万ドル超の利益を得ているが、近年は新規顧客の紹介が大幅に減少している。昨年12月時点で22億ドルを運用していたハウンドは、契約打ち切りを命じることを裁判所に求めた。
タイガー側も18日に、合意は依然として有効だとの宣言を求める訴訟を起こした。タイガーはハウンドとその創業者であるジョナサン・アウアバック氏が、ロバートソン氏の22年の死去を機に、確固たる合意を反故(ほご)にしようとしていると非難した。
タイガーによると、故ロバートソン氏は実績のないアウアバック氏に賭け、アウアバック氏は過去20年にロバートソン氏との関係から多大な恩恵を受けてきた。にもかかわらずアウアバック氏は今になってより多くの利益を自分のものにしようとしているとタイガーは主張した。
ハウンドの広報担当者は「当社はタイガー・マネジメントとの長年にわたる関係を非常に重視してきたが、タイガーの行為により当社には選択の余地がなくなった」とのコメントを出した。タイガーはコメントを控えた。
ロバートソン氏の会社と、同社が支援する運用者との間の係争は珍しい。2000年に自身のファンドを閉鎖して以来、ロバートソン氏は他のファンドへの投資を主な業務とし、「タイガー・カブ」や「タイガー・シード」と呼ばれる多くの投資先は、それぞれ独自の方法でウォール街で大きな存在感を示すようになった。