CES 2025目前、AIが生活にもたらす「具体的」なメリットと高効率が注目テーマ
エヌビディアのジェンスン・フアンも登壇、基調講演の豪華ラインナップ
「エネルギーシステムの移行について私はこれを現代社会に生きる私たちの『イシュー(問題)』としては捉えていない。むしろこれからの社会を良い方向に導くための『オポチュニティ(機会)』であると前向きに考えるべき」なのだとコミスキー氏は強調している。コミスキー氏は特にエネルギー関連では2024年に続いて日本からCESに出展するENEOSの展示に期待しているという。同社は2024年のCESでは深層学習などのAI技術を活用した高速な汎用原子レベルシミュレータ「Matlantis」のほか、関連会社のENEOSイノベーションパートナーズが出資して北米で事業展開を行うスタートアップ企業の成果を展示した。 ■エヌビディアのジェンスン・フアンも登壇、基調講演の豪華ラインナップ 現地時間の1月6日から8日まで、連日開催を予定する基調講演のラインナップも豪華だ。メディアデイの6日にはエヌビディアの創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏、続くCESの本会期初日となる7日にはパナソニックのグループCEOである楠見雄規氏がステージに立つ。 ラスベガスの新しいランドマークであるSphere(スフィア)でも初めてCESのキーノートが開催される。記念すべきステージにはデルタ航空のエド・バスティアンCEOが上がり、航空産業やトラベルテックにおけるAI活用をテーマに最新事情を語る予定だ。 さらに8日は午前にボルボグループのプレジデント兼CEOのマーチン・ルンドステッド氏が登壇し、「100%の化石燃料フリーと生産性向上を目指す輸送とインフラのビジョン」の具体を説く。そして午後には長年CESに出展するアクセンチュアの会長兼CEOであるジュリー・スウィート氏が「AIを活用した企業の変革」をテーマとするスピーチを行う。
2025年は展示エリアがさらに拡大、未来を感じる会場間の移動手段
CES 2025の基調講演、およびキーパーソンが登壇するパネルイベントの動画配信は公式サイト、およびYouTubeの公式チャンネルでライブストリーム、または後日にオンデマンド配信を実施する計画だ。 ■巨大なCESの展示会場で時間を有効活用する方法 2025年はCESの展示エリアがさらに拡大する。3つのメイン会場であるラスベガス(LVCC)、ベネチアン・エキスポ、コンテンツ系の出展が多く集まるCスペースのほか、フォンテーヌブローをはじめラスベガス市内に続々とオープンする新しいリゾートホテルがプライベートイベントの特設会場になる。 そして2020年の開催以降からリノベーションのため閉鎖されていたLVCCの「South Hall」が2025年にリニューアルオープンする。コミスキー氏によると、このホールは主に中国、インド、フィリピンなどの地域から集まるデザイン・ソーシングカンパニー(OEM/ODM企業)が多く軒を連ねることになりそうだ。 イベント期間中には「Las Vegas ハイパーループ」がLVCCの会場と市内のリゾートエリアを往来する来場者の足としてフル回転する。このユニークな交通手段は、排気ガスを排出しないEV自動車のメリットを活かして、地下に敷設されたトンネルを何台ものテスラが来場者をピストン輸送するというものだ。筆者もCES取材時に何度か活用した。LVCC会場内の移動であれば来場者は無料で利用できる。混雑しない時間帯もあるので、LVCCに足を運ぶ機会があれば積極的に活用するべきだ。 そして1月にCESに出展、または視察のため訪れる方はCTAの公式モバイルアプリ「CES 2025」をスマホに入れておきたい。出展企業のマップやキーノートなどイベントのスケジュール確認のためとても便利に使える。時間を徹底的に有効活用すれば、4日間という短いCESの開催期間に最大の収穫が得られると思う。
山本 敦