「フィットネスはメンタルヘルス向上にも極めて有効」外科系勤務医、理論派ボディメイクでモデルコンテスト初出場グランプリ【筋トレビフォーアフター】
「筋トレを始めるまでは食べてもあまり太らない体質で、どちらかというと痩せ型なのがコンプレックスでした。ガタイのいい人に憧れてまずは体重を増やそうとジムに行き始め、手当たり次第食べました」 【写真】だらしない身体からモデルボディへ進化した瀬越空人さんのビフォーアフターショット 「そんな生活を数年していたら20歳のときに58㎏くらいだった体重が74kgまで増えましたが、理想としていた身体にはほど遠く、なんだかだらしないだけの体型になってしまったのをきっかけに、真のかっこいい身体作りを目指してボディコンテストへの出場を決めました」
瀬越空人(せごえ・そらと/29)さんは、外科系勤務医という多忙を極める職業とボディメイクを両立させるため、綿密な作戦を立てた。 「ボディコンテストへの出場は退路を断つためです。周りにも公言して、絶対に後退できないようにしました。また、自身でもパーソナル、本、YouTubeなどでトレーニングや栄養管理を基礎から学び直し、できるだけ科学的根拠に基づいた情報を集めるように徹底しました。ただ、今回は最初の減量だったので情報に溺れないため、また途中心折れそうになるときもあると思ったので精神的な拠り所として、ボディメイクのオンラインコーチングもお願いしました。それはかなり有効であったと思います。そのプログラムを元に1週間のトレーニングボリュームやPFCの比率を決めました」 「筋トレは週4回のコンパウンド種目中心に、食事管理はP4:F2:C4と極端でない王道を選びました。ダイエットにおいては食事管理が8割を占めると感じ、食材についても妥協せず様々に試して体質に合うものを探した結果、カーボはロウカット玄米、脂質は納豆や卵、たんぱく質は低温調理の鶏ハムや魚などがメイン食材となりました」 また、トレーニングの質の向上のため、生活においては睡眠や疲労管理に着手した。 「特に睡眠にはこだわりました。寝る前は間接照明にして目に入る光量を減らす、入浴を入眠2時間前にして体温の変化で自然に眠りに入れる、寝具を快適なものにするなど工夫をしました。睡眠の質が悪いと疲労が抜けず過食傾向になりがちになるので、これはトレーニングをしていない人にもかなり有効な生活習慣の工夫だと思います」 フィットネスを生活に取り入れることで一番感じる効果は「メンタルヘルス」への影響だという。 「メンタルヘルスの向上は特に目覚ましく、目標が決まると前向きになり小さいことで悩まなくなる、自己責任思考になるなどとにかく良いこと尽くしでした。また、身体が変わるという成功体験を得ると、自信がついて自分をもっと好きになれると思います。トレーニングがきっかけで生活習慣の改善が自然に身につき、心身ともに健康に近づいていくのを感じました」 仕事との両立は難度が高かったが、『100点を目指さない』というマインドで乗り切ったという。 「手術時間が長い場合どうしても疲労が抜けなかったり、当直があったり、緊急の患者さんが来たりと、食事・睡眠・運動の全てを100点でコントロールできない場面は多々ありました。ただ、そもそも自分のアイデンティティは仕事にあると思うので、ボディメイクは100点を目指さず継続して80点くらいとれたらいいという考えで、とにかく折れずに続けられる方法を模索しました」 こうして瀬越さんは、体重MAX74kgから大会出場時61kg、体脂肪率は18%から9%(※)と、“筋肉を増やして脂肪を減らす”ことに成功。今年、均整のとれた健康美を競うベストボディ・ジャパン千葉大会モデルジャパン部門においてグランプリを勝ち獲った。次の目標は11月に開催される日本大会でのグランプリ獲得だ。※体脂肪率は市販の体組成計によるものです。
「今後もボディメイクは絶対にやめることはないと思います。今日、明日で劇的な変化を生むことではないですが、やり続けたら必ず変化が起きるのでやめられないですね。これからも試行錯誤しながら楽しみたいです。ただ、いわゆる醜態恐怖症的なものになったら本末転倒なので、“心身の健康を保つためのツール”として適切な向き合い方をしていきたいと思っています」
取材:にしかわ花