トラブル時の「新幹線ホテル」実際に泊まってみた 車内で何人が寝ているのか?快適に眠れるのか?
その後に到着した新幹線や、ほかの普通車両にいた人も、グリーン車に移動してきた。私のいる8号車には私含め4人。それぞれ点々と陣取っている。 気になったので全車両の乗車人数を数えたら、目測で20人足らずだった。こんな少人数でも車両を開放してくれるとは、なんてありがたい。ちなみに16両のうち3両、8~10号車がグリーン車に当たる。乗客ほとんどがこの3両に集中していた。 一方、駅ホームの売店は、シャッターが閉まったままだった。駅員さんに確認してもらったところ、「どうやら今日は開かないみたいです」と言われ、コンビニはあきらめることにした。 売店は別の管轄だろうから、急なことに対応するのはなかなか難しいのだろう。
新幹線車内では、車両の洗面所もお手洗いも使える。すべての明かりもついたままだ。とりあえず洗面所で歯を磨き、化粧を落とし、服をジャージに着替えて寝る準備を整えた。ジャージは、寝台特急サンライズのノビノビ座席で帰ることになるかもしれない可能性があったので、一応持って来ていた。 せっせとそんなことをしていたのは私だけで、大半の人はすでに寝ていた。時間はすでに1時。朝5時までしかいられないのだから、確かにすぐ寝るのが得策だろう。
さて、私も寝よう……としたが、車内が暑くて寝られない。というのも、全車両のドアや貫通扉がすべて開いているからだ。この頃は連日30度超えの蒸し暑い日々が続いていた。もちろん冷房は入っているけれど、外気に負けている。私は暑いと寝られないたちなのだ。大昔に行ったキャンプで、暑くてテントの中でまったく寝られなかったのを思い出す。 ふと、ハンディファン(携帯用小型扇風機)を持っていたことに気づいた。昔と違い、便利な道具が今はある。肘掛けにある電源にハンディファンの充電コードをつなぐ。強風だと音がけっこう気になるので、周りに聞こえない程度の風力にした。寝ている間ずっと風が当たるおかげで、すやすやと寝られた。