トラブル時の「新幹線ホテル」実際に泊まってみた 車内で何人が寝ているのか?快適に眠れるのか?
■朝5時で「新幹線ホテル」はチェックアウト 朝5時。車内放送で目が覚めた。 「ただいま午前5時となりました。休憩用列車、終了とさせていただきます。どなたさまもお忘れ物のないよう、お降りください。昨日は列車が遅れまして、大変ご迷惑をおかけしました」 車内の通路を駅員さんと警備員さんが往復する。さらに女性の声で自動放送も流れた。 「おはようございます。昨日は大雨の影響により、列車が遅れましたことをお詫びいたします。この列車はまもなく回送列車として車庫に入ります。ご協力をお願いします。お客様には大変ご迷惑をおかけしました」
こんなパターンの自動放送も用意されているのか、などと感心しつつ、慌てて荷物をまとめ、ジャージのままホームに出た。 すでにホームの電光掲示板には、始発の列車が表示されている。東京駅発新大阪行きの始発は6時ちょうどだが、この16番ホームは6時21分発のひかり新大阪行きが最初の新幹線のようだ。もう1日が始まっていた。 こういった緊急の対応は、どのようにして決めるのか、JR東海の広報担当者に聞いてみた。
「最終列車が遅れた場合の対応として、関係JR会社に対し、在来線の最終列車の発車時刻の調整や、運転区間の延長、または臨時列車の運転ができないか、などの要請をしています。そのうえで、新幹線の到着が深夜時間帯となり、在来線への接続が困難な場合は、状況に応じて、ターミナル駅などで在来線や私鉄などの始発列車までお待ちいただく場所として、新幹線車両を休憩用列車として使用していただくよう対応することがあります」
「新幹線ホテル」は一般的な俗称だが、JR東海では「休憩用列車」と呼ばれている。 「休憩用列車の設定については、乗車されているお客様の状況や到着駅から先の公共交通機関の運行状況などを総合的に勘案して決定しており、休憩用列車を設定することを決定した後は、速やかにお客様へご案内しています。加えて、新幹線車両を使用できない駅では、必要により駅待合室を開放しています」 駅の待合室の開放は、ニュースで見たことがある。寝るのもままならないのはなかなかつらい。また、混み合っている新幹線車内がそのまま「新幹線ホテル」になる場合もあるだろう。今回私が泊まった「新幹線ホテル」は、かなり余裕のあるケースだと思われる。