岩田康誠の〝代役〟横山典が導いた大健闘! 当日の鞍上交代劇もダイシンラーに見えた〝希望の光〟
12月15日、日曜日の京都競馬場。その日はGⅠ朝日杯FSの開催日でした。管理馬のダイシンラーを出走させることが決まっていた梅田調教師の元に、朝、JRAから連絡が入ります。岩田康誠騎手が騎乗停止になってしまったので、ダイシンラーには乗れませんーー。その後、岩田騎手ご本人からも「本当に、すみません」とお電話があったそうですが、梅田調教師は「そうなってしまったことは、もう仕方ないよ」と言いつつ、内心は焦っていたといいます。 3Rに出走するコパノディランの装鞍時間も近づいていました。空いているジョッキーのラインアップとにらめっこしながら、どうしようかと思考を高速で巡らせていたそうです。 ダイシンラーは、岩田康誠騎手が騎乗した札幌芝1500メートルの新馬戦を勝ち、その後は岩田望来騎手とのコンビでデイリー杯2歳Sで3着に入りましたが、続く自己条件のこうやまき賞では5着に敗れていました。新馬戦の時からかなり粗削りなレースぶりだったのですが、デイリー杯2歳Sの頃から、競馬に行ってテンションがカーッとなると片方のハミだけを取るような感じになり、コーナーで外に張ってまともに追えなくなってしまったそう。 調教ではそういうところを見せなかったため、陣営もどのようにしたらいいのか分からず、前走後に岩田望来騎手から「ハミを替えてください、能力はあるのにもったいないです」という進言を受け、今回からリングバミを着用する予定でした。最終追い切りもリングバミを着け、岩田康誠騎手が感触を確かめてくださったそうですが、「クロス鼻革も着けたほうがいいか」と聞く陣営に「これ(リングバミ)で大丈夫。新馬戦の時より、乗りやすくなってますよ」と言われ少しホッとしていたそう。新馬戦を勝ってくれた岩田康誠騎手だから。追い切りにも乗ってくれたから。いろいろ心配事が多いダイシンラーだけど、何とか不安なく行けるかな…と思っていたのだと言います。