大阪城で真田の陣太鼓鳴り響く ドラマ「真田丸」放映を前に
戦国武将たちが愛した鷹狩りを再現
2日目、本丸広場がさながら鷹狩りの舞台となった。NPO法人日本放鷹(ほうよう)協会(岐阜県海津市)のメンバーが、伝統的な諏訪流放鷹術で鷹狩りを再現した。 鷹狩りは4000年前、中央アジアで始まり、1600年前ごろにシルクロードを経て日本に伝来。信長、秀吉、家康など、名だたる戦国武将たちが軍事訓練を兼ねて鷹狩りを愛好した。 現代の鷹匠が鋭く合図を送ると、天守閣最上階から小さな影が軽く弧を描いて落下してきた。鷹だ。観客から驚きの声が沸き上がる。カメラ撮影が困難なほどのすばやい動きだ。鷹匠たちがいろいろな鷹の習性を生かしながら、鷹狩りの基本技術を披露する。 鷹を拳に乗せて歩くことを「据え回し」、鷹を木などに飛ばして拳へ戻す訓練を「渡り」と呼ぶ。「羽合(あわ)せ」は、鷹が獲物に向かって飛び出そうとするとき、いったん拳を後方へ返して、さらに拳を押し出すことで、鷹の初速を補う技だ。 鷹がこの技を習得すると、短い距離で勢いよく飛び出し、すばやく獲物に到達できる。鷹はペットのようになつくことはないものの、すぐれた鷹匠は人馬一体に通じる「人鷹(じんよう)一体」の境地に達するという。有能な鷹匠を抱えることが武将たちの誇りでもあった。 大阪城天守閣の北川央館長は「NHKの『真田丸』では信州上田、紀州九度山と大坂が舞台となり、大坂城真田丸の攻防で最後の山場を迎える。幸村は近年、もっとも人気が高まった武将のひとり。大阪城公園を散策して幸村に思いを巡らせていただけたら」と話す。園内では真田家にちなむ赤いのぼりが風にはためく。