19センバツ星稜 第2部・頂点への戦力チェック/3 実質3枚、捕手陣盤石 /石川
<第91回選抜高校野球> 1年から正選手の山瀬慎之助捕手(2年)の座は揺るがない上に、4番を張る内山壮真内野手(1年)がマスクをかぶる選択肢もある。投手陣に劣らぬ盤石ぶりだ。 現在は遊撃の内山選手は、星稜中時代に捕手でU15(15歳以下)日本代表に選出された経験を持つ。昨秋の県大会準決勝で捕手デビューを果たすと、8-0の快勝を演出。林和成監督(43)も「キャッチングもいいし、『ここでこう来るか』という面白いリードもする」と高評価だった。 こうなると、捕手2枠目は実質的に3番手。「ブルペンでのキャッチングに、選手の調子を分析して(仲間に)伝えられる能力。総合的な働きを評価した」と林監督。チームのムードメーカーでもある吉本有佑捕手(2年)が適任と判断した。 ◇総合力で抜てき 生徒会長の顔も 吉本有佑捕手(2年) 新チーム発足後の主な役割は、試合中にスタンドで声を張り上げる応援団長だった。「チャンスがなかなか巡らない中でも、ベンチ入りできるんだぞと伝えたい」。昨秋の公式戦登録外からのメンバー選出は、グラウンドに立つことがかなわなかった選手にとっての希望でもある。 好きな言葉は「世のため人のため」だという。何事もみんなの先頭に立つことが好きな性格も相まって、高校では生徒会長も務める。就任後は校門に立ってのあいさつ運動や、校内での携帯電話使用防止運動を発案。携帯電話使用防止運動では校内で啓発ポスターコンテストを行って最優秀作を掲示するなど、全生徒を巻き込む工夫もした。 昨年12月に金沢市、地元町会と組んだ「雪かきボランティア協定」の締結でも前面に立った。「自分が中心に立てば、組織が成長する自信がある」。くりっとした目の愛嬌(あいきょう)ある顔立ちでチームメートを笑わせる姿と行動力。絶妙なバランスが周囲の信頼感を生んでいる。 頻繁な交代がない守備位置だけに、自らの役割を理解してはいる。ただ「親への感謝の気持ちを伝えるにはグラウンドでプレーしている姿を見せたい」とも感じる。内角攻めも随所に要求する山瀬捕手の強気の姿勢を参考にしながら、配球に腐心する日々。磨き上げたリーダーシップを甲子園でも発揮したい。【岩壁峻】 ……………………………………………………………………………………………………… 選手 試合 打 安 打率 山瀬慎之助(2年) 13 40 8 .200 吉本有佑(2年) (出場なし) ※記録は昨秋の公式戦。打は打数、安は安打