ウニクレディトの買収提案、バンコBPMは拒否-提示額低過ぎと主張
(ブルームバーグ): イタリアの銀行バンコBPMは、国内の競合行ウニクレディトの買収提案を拒否した。提案について事前の合意がなかったうえ、提示額も低過ぎ、国内の雇用と競争を害する可能性が高いと説明した。
バンコBPMは26日の発表文で、同行の利益率や価値創出力をウニクレディトの条件は「全く反映していない」と主張。22日の株価終値に対してわずか0.5%のプレミアムとされたことも含め、この種の事業にとって異例の提案だと指摘した。
25日のイタリア株式市場でバンコ株は急騰し、ウニクレディトの提示額を上回った。
同様に一方的に仕掛けたコメルツ銀行買収がドイツで反対に遭っているウニクレディトのアンドレア・オーチェル最高経営責任者(CEO)にとって、バンコの反応はまたも苦戦を強いられそうな様相を示す。イタリア政府がウニクレディトとインテーザ・サンパウロに対抗できる大型銀行グループの形成に取り組んでいる中でもあったため、今回の買収提案は政治家からも反発の声が上がった。
ウニクレディトのバンコに対する買収提案は全額株式交換で、25日株価終値に基づくと約96億ユーロ(約1兆5500億円)規模となる。だが、バンコ株は25日に5%余り上昇し、時価総額は106億ユーロ前後に達している。これはウニクレディトが買収提示額を引き上げる可能性があると、投資家が見込んでいることを示唆する。
ブルームバーグがまとめたデータによると、バンコにはフランスのクレディ・アグリコルが出資しており、9%株を保有する。クレディは株式交換を通じ、保有株比率を19%に引き上げた可能性もあると、イタリア紙ソレ24オレが26日、「トレーディングルームで出回っているうわさ」として報じた。
原題:Banco BPM Rejects UniCredit Bid in Latest Setback for Orcel (2)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Sonia Sirletti, Alberto Brambilla