「夏にバナナを長持ちさせるコツ」常温?冷蔵?バナナの正しい保存方法を食のプロが伝授!熟す前後で味も身体への影響も大きく変わる!?
バナナを美味しくする4つのポイントとは
青い状態で食べるとダイエット効果があり、熟した状態で食べると美味しさ&免疫力UP……。好みや目的に応じて食べるタイミングを変えると良いということですが、バナナの「青い状態」も「熟した状態」はかなり短く、あっという間に黒くなってしまうことがありますが、できるだけ美味しい状態を長く保つにはどうすれば良いのでしょうか。 「バナナのおいしさに影響を与えるものは4つあります。 1.温度 まず温度ですが、購入後、適度に追熟が進むには15℃~20℃が適しています。気温がそのくらいでも温度変化にも注意が必要です。冷蔵庫や電子レンジの上or横に置いていると熱くなってしまうこともあるので良くないですね。できるだけ温度変化がおきない場所に置くようにしましょう。 2.接触&3.風通し そして接触&風通し。バナナを置いておくと、テーブルなどと触れていた部分が黒くなった経験があるのではないでしょうか。できるだけ接触させず、風通しの良い場所に置いておく方が傷みにくいです。バナナを吊るしておくバナナスタンドは接触と風通しを良くするためのものなので理想ですね。 持っていない方でも、房の状態からバナナをバラバラにすればOKです。私は自宅で網目のある果物かごにバラバラにして置いていますよ。 4.エチレンガス エチレンガスは成長ホルモンの1つ。バナナやリンゴ、アボカドなどから発生し、熟成を進めて食材を傷みやすくしてしまう作用があります。バナナを買ってきた状態のビニール袋で保管していると追熟が進みやすくなるので、袋からは出すようにしましょう」(スギアカツキさん) バナナが充分に熟した食べごろの状態を長く保つにはどうすればいいのでしょうか? 「そのまま置いておくとさらに熟してしまうので、できれば完全に熟す少し手前ぐらいで1本ずつエチレンガスの影響を受けないようにラップしてから野菜室に入れると1週間~10日間ぐらいは美味しい状態が続きます。 野菜室でなく冷蔵庫に入れると温度が低すぎて『低温障害』を起こしてしまうので注意しましょう。低温障害を起こしたバナナは真っ黒になりますが、熟した状態とは異なり糖度だけが上がって美味しくないんです。注意してくださいね」(スギアカツキさん) ベストな保存方法は、 ・ビニール袋から出す ・1本ずつバラバラにした状態にする ・風通しの良い15℃~20℃の場所に置く ・カゴやバナナスタンドなどできるだけ面が接しないようにする そして、十分に熟したら「1本ずつラップに包んで野菜室で保管する」のが良いのですね。今日から試してみたいと思います! スギ アカツキさん 食文化研究家、スーパーマーケット研究家。 東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどの各種メディアで活躍中。国内外の食情報にも詳しく、食テーマについてのやさしく、わかりやすい説明に定評がある。 取材・文/松本果歩
MonoMaxWeb編集部