【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第17ステージ】雨中のスプリントバトルを制したカーデン・グローブス 思いがけず引き継いだグリーンジャージにも動揺せず「奇妙な状況だったけど、誰かがこのジャージを着ていなければいけない」
そうして始まったレースは、早々に飛び出したヨナス・グレゴー(ロット・デスティニー)、ティボー・ゲルナレック(アルケア・B&Bホテルズ)、トマ・シャンピオン(コフィディス)、シャビエル・イササ(エウスカルテル・エウスカディ)の4人が先導。散発的に追走を狙った動きが見られたものの、いずれも先頭合流には至らない。スタートから1時間が経つ頃には、先頭4選手は集団に対して4分以上のリードを得た。
コース中盤にそびえた2つの2級山岳。瞬間的に20%近い急坂ゾーンが控えたラ・エストラングアダでは、グレゴーが頂上を1位通過する一方で、シャンピオンとイササが後退。その後の下りで追いつくと、次に上ったカラコルでも同様の流れ。レース後半の平坦路に入ると4人逃げの構図が再度整った。
一方、その頃メイン集団ではアルペシン・ドゥクーニンク、dsmフィルメニッヒ・ポストNL、エキポケルンファルマの3チームが中心に立ってペーシングが本格化。じわりじわりと前を行く4人とのタイム差を縮めると、フィニッシュまで30kmを残した段階でおおよそ2分差。完全に射程圏内に捉えて、その5km先では約1分40秒差に。直後に通過した中間スプリントポイントはシャンピオンが1位通過し、メイン集団ではグローブスが先着。全体5位通過で10点を加算させている。
スタートから降り続いた雨は、残り20kmを切ったあたりからさらに強まって、レース全体に緊張感をもたらす。それでもメイン集団の勢いは増す一方で、残り16kmではヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)がアタック。これで急激にアクティブになった集団は、逃げのメンバーをすぐ目の前に捉えられるところまでやってきた。
ラウンドアバウトを含んだテクニカルなルーティングもあり、残り10kmを切ってからは逃げとの差をなかなか詰められずにいた集団だったが、残り2.6kmでついにキャッチ。同時にマウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)とマックス・プール(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)がカウンターで飛び出すと、カンペナールツも追随。スプリントを狙うdsm勢はプールが抑え役になって、シュミットとカンペナールツを好きには逃がさない構えだ。
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