ボルボXC90が欧州で大幅改良されて登場、完全電動化に向けた新しいシナリオで再び重要な位置づけに
大幅改良されて登場したボルボのフラッグシップモデル
2024年9月4日(現地時間)、ボルボ カーズはスウェーデン本国でアップデートされた新型XC90を発表した。ボルボは2030年以降すべての新車販売をEVとする計画を撤回して話題となっているが、完全な電動化という長期的な目標に変わりはなく、その目標に向けた橋渡しとなるバランスの取れたポートフォリオを構築するためにも、この新型XC90は重要なモデルとなる。 【写真はこちら】エアサスペンションはアクティブシャシと連動。乗り降りや路面状況、速度に応じて高さも最適化する(全7枚) 2014年に2代目として登場した現行XC90は、ボルボのフラッグシップSUV。巨額を投じて開発されたアーキテクチャー「SPA1プラットフォーム」を採用した最初のモデルである。新しい世代のボルボの快進撃は、このXC90から始まったと言われるほどの人気を博し、グローバルで累計100万台近く販売されている。 スカンジナビアンテイストを前面に打ち出したインテリアや快適な乗り心地、電動化に向けた積極的な取り組み、高い安全性能などが高く評価され、世界各国で数多くのアワードも受賞した。 今回大幅改良されて登場した新型XC90は、新しいフロントグリル、新しいトールハンマー型ヘッドライト、新しいアルミホイールなど、EVのEX90に近いものへと変更された印象がある。 インテリアもリニューアル。水平基調の新しいデザインとなったダッシュボードは垂直の通気口によって分割され、各所に質感の高いリサイクル素材が使われている。また、ユーザーからのフィードバックにより、追加の収納スペースをセンターコンソールに設けたり、ワイヤレス電話充電器をセンターコンソールに配置するなどの改良が加えられた。 なお、タッチスクリーンは9インチから11.2インチに大画面化され、グーグルベースのソフトウェアを採用して無線アップデートが可能となった。
さまざまなシステムなど、見えない部分も大幅にグレードアップ
メカニズムの進化という点では、各ダンパーが道路状況に自動的に調節される新しいサスペンションを採用。オプションのエアサスペンションはアクティブシャシと連動して固さを自動的に変更するだけでなく、乗り降りや路面状況、速度に応じて高さも調節する。 パワートレーンはさらに進化したプラグインハイブリッドと48Vマイルドハイブリッドを設定。もちろん、安全運転支援システムやバッテリーなど電動化技術は最新仕様にアップデートされている。 「新しいXC90 は自信に満ちています。XC90はボルボのフラッグシップであり、ベストセラー モデルのひとつです」とボルボ カーズの ジム ローワンCEOは語る。 「快適性、スペース、高級感、ハイブリッド効率のどれをとっても、XC90 は高いレベルにあります。XC90 と電動車である EX90 で、お客様に最も適したオプションを提供し、完全電動化への移行を継続する中でバランスの取れたポートフォリオを実現します」 新型XC90の生産は今年2024年後半に開始される予定で、年末には納車が開始されるというが、価格はまだ発表されていない。
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