【日銀会合】決定内容は予想通り据え置き…「ドル円相場の方向性」を再考する(解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト)
4月マイナス金利解除の見方を維持、これに基づけば円が対ドルで大幅に減価する公算は小さい
マイナス金利の解除時期に関する手掛かりは、今回も得られませんでしたが、展望リポートの新規文言や総裁発言を踏まえると、政策修正には着実に近づいていると判断されます。弊社は引き続き4月の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)撤廃とマイナス金利解除、その後のゼロ金利政策継続を予想していますが、植田総裁がマイナス金利解除時、その後の金利経路を考慮するとしており、利上げへの警戒も必要になりつつあります。 しかしながら、利上げの判断はマイナス金利解除後の物価や経済の動向次第であり、まだかなり先になると思われます。なお、会合後のドル円相場は、上下に振れる不安定な動きとなりましたが(図表2)、4月にマイナス金利解除という弊社の見通しに基づくと、日銀の政策要因に起因する円の大幅な減価は見込み難く、1ドル=150円を超えて一本調子にドル高・円安が進む公算は小さいとみています。 (2024年1月24日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【日銀会合】決定内容は予想通り据え置き…「ドル円相場の方向性」を再考する(解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト)』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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