「妻と浮気相手の間に生まれた子」を見捨てられなかった夫の悲哀。養育費を支払う“条件”は離婚翌日に破られ…
騙し騙し、子育てを続けてきたが…
筆者は「悪口を吹き込んだのは元彼なのでは? 元彼の影響を強く受けすぎるのでしょう」と指摘。妻は優斗さんの愚痴や不満、悩みを打ち明け、元彼が優斗さんの悪口に言い換え、それを妻が真に受けたということです。もし妻と元彼が復縁していたとするなら変貌ぶりには合点がいきます。どちらが本当の顔なのか。いつもは猫をかぶっていたのではないか。優斗さんは完全に混乱していました。 優斗さんは2年もの間「妻の疑惑」をはっきりさせないまま、何とか騙し騙し、子育てを続けてきたのですが、最近の妻の言動が目に余るものがあります。今までずっと我慢してきたにもかかわらず、このタイミングで思わず不満を爆発させてしまったのです。 「僕がいつも身を粉にして頑張っているのは二人のためだよ。仕事だって、なかなかやり手がいない夜勤を進んでやったり。家のことだって、できる限り、手伝っているつもりだよ。それなのに最近の態度は何なんだ? 僕にだって我慢の限界がある」と。 にもかかわらず、妻は黙って下を向き、一言も発しません。せめて「ごめんなさい」「心を入れ替えるわ」「これからは気を付ける」など最低限の約束があれば、優斗さんはこれ以上、何も言わなかったかもしれません。が、妻からは謝罪の言葉も改心の態度も、そして贖罪の意思もありませんでした。
妻が持ってきた鑑定書に明記されていたのは…
そこで「陸斗が僕の子どもじゃないってことくらい、前から知っていたんだ。それなのに普通の父親として接してきたし、愛情を注いできたし、十分なお金もかけてきたじゃないか」と口をすべらせてしまったのです。 そうすると妻はいきなり表情が変わり、眼光が強くなり、緊張感を漂わせる感じで自室へ行くと、「ある封筒」を持って帰ってきました。封筒の表面には鑑定機関の会社名が書かれていました。そして優斗さんが封筒を開けると、鑑定書が入っており、そこには「被験者同士は生物学的に親子関係があると判断されます」という文字と、「99.9999%」と確率が表記されていました。優斗さんは自分と息子さんが親子ある確率が99%だと思い、一瞬だけ安堵しました。 けれども、被験者として表記されていたのは優斗さんではありませんでした。それは元彼の名前。つまり、息子さんの父親は元彼、そして優斗さんは父親ではないことが明らかになったのです。さらに妻は「こういうこと。私は何も言わないわ。あなたが考えて……私は言う通りにするから」と。