スタリオンにショーグン ランエボまで 50周年イベントに集結 ランサー/ギャランの英国上陸から半世紀(2)
三菱スタリオン・ターボ EX(1987年式/英国仕様)
オーナー:アシュリー・ウェンサック氏 「子供の頃に、父が持っていたんです。ディーラーで試乗し、とても速いと驚いていた様子は今でも忘れません。大きくなったら、自分も1台買おうと考えていました」。ウェンサックが、ほほえみながら説明する。 【写真】英国上陸50周年ファンミーティングの参加車両 三菱のクーペたち 新型トライトンも (115枚) 任意保険の金額が高く、念願のクルマを購入したのは25歳を過ぎてから。それ以来、一途な気持ちはブレることなく、ソフィア・ホワイトのこれは8台目のスタリオンだとか。 モデル後期の年式だが、排気ガス規制へ対応するため、2.0L 4気筒から2.6L 4気筒へ交換される直前のスタリオン。ランサー・ターボのターボ付き4G63ユニットが、ギャランのシャシーを流用したクーペボディに搭載されている。 英国での販売が始まったのは、1982年。日本からの輸入車では、その頃は最速だった。 「スタリオンには、1980年代の雰囲気が漂っています。リトラクタブル・ヘッドライトにスクエアなスタイリング、近未来的なダッシュボードやメーターパネルのデザインなど、すべてが魅力的。自分には、これがしっくり来るんですよ」
三菱ショーグン 2.6(パジェロ/1990年式/英国仕様)
オーナー:アリスター・スコット氏 三菱のディーラーを営んでいたスコットは、思いがけない下取りで、初代ショーグンを愛車にすることができた。「偶然でしたね。2000年に、1966年式のMGBと一緒に手放す人がいたんです」。と当時を振り返る。 「なんてことだ。お宝がやってきた、と思いましたよ。もちろん、わたしたちは保存することに決めました」 グレートブリテン島でショーグンの販売が始まったのは、1983年。この土地では、ブランド成功の立役者的存在だった。当時の英国では、日本車の輸入を制限する「紳士協定」が存在したが、高価格・高利益のモデルとして、三菱は積極的に販売した。 同時期のランドローバー・レンジローバーより安価で、ディフェンダーより上質。信頼性も遥かに高く、ライバルと呼べるモデルはほぼなかった。 酷使されがちなオフローダーの割に、このショーグンは驚くほど状態が良く、レストアする必要はなかったとのこと。20年以上前に買い取った時のまま、丁寧に維持しているだけらしい。 「これで、(グレートブリテン島西端の)ランズエンドや(北端の)ジョン・オグローツまで旅しました。スコットランドの(ドライブルート、)ノースコースト500は、2回も巡っています」