西野ジャパンが強敵セネガルに勝つための3つのポイント
前回王者のドイツがメキシコに敗れ、ブラジルがスイスとドロー。そして、アイスランドと引き分けたアルゼンチンがクロアチアに完敗するなど、サプライズが目立つ今大会。なかでも最も波乱が起きているのが、グループHだろうか。番狂わせを演じたのはポーランドを下したセネガルと、コロンビアから金星を挙げた我らが日本代表だ。 もっとも、セネガルに関しては、ベスト8を狙えるチームと指摘していた専門記者や専門媒体も多く、日本の選手たちによる評価も高かった。 「予選リーグで当たる3チームの分析を自分でもしていて、正直、セネガルが一番強いなということを、選手同士でも話したりしていたんです」 そう明かしたのは、長友佑都だ。フィジカルやスピードはもちろん、セネガルの強みはなんと言っても組織力である。そのアフリカ勢らしからぬストロングポイントに、西野朗監督も前日会見の場で警戒心を強めている。 「警戒しているのは、チームとして非常にオーガナイズされているところ。個々の強さや速さを生かすための、攻撃権を得るためのディフェンスが組織化されているところにフォーカスを当てて見ている」 ポーランドとの初戦でも陣形をコンパクトに保って強固なブロックを敷き、連動しながらアグレッシブにボールを刈り取り、高速カウンターを繰り出していた。 レギュラーのほとんどが欧州のメジャーリーグでプレーするアフリカの新興勢力を果たして日本はいかにして攻略すべきか――。3つのポイントを挙げて探っていく。 サイドバックの裏を突け――。これが、第1のポイントである。 セネガル最大の強みといえば、強烈なサイドアタックだ。アフリカ予選ではサディオ・マネとケイタ・バルデ・ディアオの両翼が相手の守備網を面白いように切り裂いた。 とりわけリバプールに所属するマネはスプリント力だけでなく、フィニッシュ、ラストパスと、攻撃の能力どれを取ってもハイレベルで、ワールドクラスのアタッカーだ。 一方、ポーランド戦ではケイタではなく、弱冠20歳の新星、イスマイラ・サールが起用された。ストライドの大きいドリブルでポーランド守備陣を窮地に陥れた若者に、長友は「ビッグクラブに行くポテンシャルがある」と驚きを隠せない。 ポーランド戦ではマネが左サイド、サールが右サイドだったから、マネvs.酒井宏樹、サールvs.長友という構図を描きそうだが、実はそれほど単純な話ではない。サールは典型的なウインガーだが、マネはサイドに張っていることが少なく、インサイドに潜り込んだり、そのままトップ下に居座ったりと、プレーエリアが広いのだ。 酒井宏とセンターバック、サイドハーフ、ボランチがいかに連係して囲い込んでマネから自由を奪えるか――。それが、マネ封じのポイントだ。