「本当は、国民誰もが「民」の「王」であるべきなんです」制作者がドラマ『民王R』に込めたメッセージとは?
● ラスボス登場、そして、 空前絶後の入れ替わりが ――また、テレビドラマや映画界では昨年から、いわゆる「原作もの」を制作する際のルールやガイドラインについての見直しや議論が進められています。原作者の了解を得た上での『民王R』の奔放な作り方は、そのひとつのチャレンジといえるのではないでしょうか。 飯田 一口に原作ものといっても、書かれた時代や原作者の意向によって、毎作品、毎回ごとに事情が異なると考えています。古典的な名作であれば時代が変わったことによる翻案も必要だったりしますが、やはり同時代の作品であれば、原作の骨子の部分に関しては尊重すべきで。 本来は脚本ができあがってから「これで作りたい」とご提案するのが正しい順番なのですが、現場のタイムスケジュール的に厳しい状況は変わらず……でも、あるべき姿については、私たちも考え続けていかなければと思っています。 何より、0(ゼロ)から1を生み出している作者ときちんと話せる環境があることは最高。ですから、今回は池井戸先生の寛大なご提案で、なかなかない機会をいただけたと、一同、それを励みに取り組んでいます。とはいえ毎回、先生からの反応にはドキドキしているのですが(笑)。 ――放送も後半戦に突入。そもそもの大混乱の原因である「武藤泰山入れ替わりテロ」の真相など、クライマックスに向けての展開が気になります。いったいどのように着地するのでしょう? 飯田 第6話の予告でもお気付きの方がいらっしゃると思いますが、テロの仕掛け人の正体、そのヒントとなる大事な場面が、第7話のラストシーンに用意されています。その人物が絡んで政界に激震が走る出来事が起き、武藤泰山は正真正銘の崖っぷちに立たされることになります。 さらには、泰山がこれまでとは違う、まったく異質な「何か」と入れ替わることに。混乱した状況の中、ラスボス的な存在との戦いでさらに窮地に追い込まれるのですが、そこに、ある助けの手が……武藤泰山とテロの黒幕たちとの熾烈(しれつ)な戦い、その決着まで、ぜひ楽しみつつ見守っていただければと思います。 ――現実の政界も世の中も、今や一寸先が見えない状態です。『民王R』が、これからの日本の試金石になるのかも? 飯田 さあ、どうでしょう……(笑)。実は、『民王R』は世界中からオファーを受けて、現在、233の国と地域で海外配信も決定しました。世界中の人が政治に物申したい、そういう時代なのかもしれませんね。
飯田サヤカ